時系列の種類やモデルの紹介!時系列分析とは【初心者向け】
初心者向けに時系列分析について解説しています。これは過去の情報から未来を予測するものです。 時系列分析が使用される場面や時系列の種類、各モデルについて学んでいきましょう。 データ分析や統計を行う上で重要な知識になるはずです。
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今回は、時系列分析について解説します。
時系列の種類や時系列データのモデルについて紹介しているので、どういった分析の仕方があるのかぜひ知っておきましょう。
なお本記事は、TechAcademyのオンラインブートキャンプ、AI講座とデータサイエンス講座の内容をもとに作成しています。
今回は、機械学習に関する内容だね!
どういう内容でしょうか?
時系列分析について詳しく説明していくね!
お願いします!
時系列分析とは
時系列分析とは時間の項目を軸に分析を行うことです。
時系列分析は英語で、Time Series Analysisと言います。
時系列分析は、時系列解析と約されることもあり、時系列分析について調べる場合は、時系列解析についてもキーワードとして調べると良いでしょう。
時系列分析は、時系列データを元に、何故そのような時系列になってしまったかを理論的に分析するものです。
この、何故そのような時系列になってしまったかという点を、時系列分析ではデータポイント列の背後にある理論と言います。
代表的な利用方法としては、完全失業率や住宅価格の推移を元に株式相場の見通しを伝える経済ニュースが日々報道されています。
時系列データとは
時系列データとは、時系列分析で使用するデータのことです。
時系列データは、一定間隔に基づいて集計され、統計学上の相関関係が認められるものをいいます。
身近な時系列データとしては、総務省統計局のページから閲覧できる総合統計書があります。
時系列データのモデルには様々なものがあります。
モデルとは、考え方や理論のことを意味します。
時系列の種類
時系列には定常時系列と非定常時系列があります。
実際に使用されるデータは、非定常時系列もののが多いです。
そして、実際に解析する際には、非定常時系列データを定常時系列データに変換して解析することが多いです。
定常時系列
定常時系列とは、定常的な時系列のデータを意味する。
定常性とは、確率の性質が一定であり、様々な時点に影響されないことを意味します。
非定常時系列
非定常時系列とは、非定常的な 時系列データを意味する。
非定常性とは、定常性が無いことで、確率の性質が一定しておらず、様々な時点の値に影響されるということを意味します。
つまり、影響される要素が多いために解析する必要性があるということでもあります。
代表的な時系列データのモデル
時系列データにはいくつかのモデルが存在します。
自己回帰モデル
画像引用:wikipedia
自己回帰モデルは、英語でAuto Regression modelと呼ばれ、ARと省略されます。
定常時系列データを使用します。
現在の値は、過去の値に影響されて記述されるというモデルです。
株式相場で、今日値上がりすれば、明日も値上がりするだろ言うというイメージです。
自己回帰モデルは、自己回帰移動平均モデル(ARMAモデル)の特殊な例の1つです。
また、自己回帰モデルは、ベクトル自己回帰モデル(VARモデル)の特殊な例の1つでもあります。
自己回帰モデルは、時間対してある変数をある確率で分布したものを線形で表示します。
変数とは、ある値を入れるは箱のようなものです。
変数に入れられた日々の値を線形にする例として、株式相場のグラフがあります。
移動平均モデル
画像引用:wikipedia
移動平均モデルとは、英語でMoving Average modelと言いMAと省略されます。
定常時系列データを使用します。
移動平均モデルは、現在の値はq個前までの過去のノイズの重み付き和と、現在のノイズとに、平均値を加算したものとして考えるモデルです。
つまり、過去のノイズが大きかった場合、現在の値もθの影響を受け変化するということになります。
そして、現在の値が過去の移動平均で表現されることから移動平均モデルと言われます。
自己回帰移動平均モデル
画像引用:wikipedia
自己回帰移動平均モデルとは、英語でAutoregressive moving average modelと言い、ARMAと省略されます。
定常時系列データを使用します。
自己回帰移動平均モデルは、自己回帰モデルと移動平均モデルを組み合わせたモデルです。
つまり、自己回帰モデルの現在の値は、過去の値に影響されて記述されるというモデルと、移動平均モデルの、現在の値はq個前までの過去のノイズの重み付き和と、現在のノイズとに、平均値を加算したものとして考えるモデルを組み合わせることで現在の値を記述するということです。
自己回帰移動平均モデルの図式でいうと、p個以前の過去の値とq個以前のノイズの値を組み合わせることで現在の値を記述しています。
和分過程
和分過程とは、英語でIntegratedと言い、Iと省略されます。
和分過程とは、以前の値に現在の値を加算することを意味します。
株価などの金融取引に利用するデータで利用する時系列では、和分を利用します。
ただ、自己回帰和分移動平均モデルで利用される場合は、和分次数を1と考えることが一般的です。
次数とは、何かの指標を求める際に使用する自然数です。
指標とは、物事を判断する際に目印となるものです。ここでは自然数を目印にします。
自然数とは、正の整数を意味します。
自己回帰和分移動平均モデル
画像引用:wikipedia
自己回帰和分移動平均モデルとは、英語でAutoregressive Integrated Moving Averageと言い、ARIMAと省略されます。
非定常時系列データを使用します。
自己回帰和文移動平均モデルは次の3つのモデルを組み合わせてできています。
自己回帰モデル(Autoregressive model ) 移動平均モデル(Moving Average model ) 和分過程(Integrated process)
自己回帰和分移動平均モデルは、自己回帰パラメーター(p)と、移動平均パラメーター(q)と、差分の階数(d)とを使用します。
和分過程の説明であったように、一般的に和分は1で表されます。
つまり、ARIMA(p,1,q)モデルで記述される自己回帰和分移動平均モデルデータは、ARMA(p,q)モデルで記述される自己回帰移動平均モデルの1階和分系列であることを意味します。
自己回帰モデルと移動平均モデルは、それぞれ単独であっても高い分析能力があります。
自己回帰移動平均モデルは、更に高い分析能力があります。
自己回帰和分移動平均モデルはデータの差分を取ることで、データの整形を行った上で、自己回帰移動平均モデルとして、より正しく分析することができます。
その他の時系列データのモデル名紹介
誤差修正自己回帰モデル
誤差修正自己回帰モデルとは、英語でError Correction Modelと言い、ECMと省略されます。
分散自己回帰モデル
分散自己回帰モデルとは、英語でAutoregressive conditional heteroscedasticity modelと言い、ARCHと省略されます。
一般化分散自己回帰モデル
一般化分散自己回帰モデルとは、英語でGeneralized Autoregressive conditional heteroscedasticity modelと言い、GARCHと省略されます。
確率的ボラティリティモデル
確率的ボラティリティモデルとは、英語でStochastic Volatility modelと言い、SVと省略されます。
マルコフスイッチングマルチフラクタル
マルコフスイッチングマルチフラクタルとは、英語でMarkov Switching Multifractalと言い、MSMと省略されます。
今回は、時系列分析について解説しました。
この記事を監修してくれた方
中本賢吾(なかもとけんご) 開発実績:PHPフレームワークを利用した会員制SNS・ネットショップ構築、AWSや専用サーバー下でLinuxを使用したセキュアな環境構築、人工知能を利用したシステム開発、店舗検索スマホアプリ開発など。 その他にも地域の職業プログラマー育成活動を行い、2018年には小学生がUnityで開発したオリジナルAndroidアプリをGooglePlayでリリース。ゲームで遊ぶより作ろうぜ!を合言葉に、小学生でも起業できる技術力を育成可能で有ることを証明し続けている。 |
内容分かりやすくて良かったです!
ゆかりちゃんも分からないことがあったら質問してね!
分かりました。ありがとうございます!
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