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今すぐ分かる!Javaで書くクラスの継承【初心者向け】

初心者向けにJavaで書く継承の使い方について解説。継承とは何なのかや、継承の書き方から実際に書いてみたサンプルを紹介しながら説明しています。Javaエンジニアを目指している人は今のうちに覚えておきましょう。

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今回はJavaの継承について説明します。

Javaを使った作業において重要な知識で、現場でも役立つのでぜひ覚えておきましょう。

Javaについてそもそもよく分からないという方は、Javaとは何なのか解説している記事をまずご覧ください。

 

目次

 

 

 

田島悠介

今回はクラスの継承について学習するよ。

大石ゆかり

田島メンター!!継承っていうのは何をするんですか~?

田島悠介

継承はオブジェクト指向の特徴のひとつで、クラスを構成しているメンバ(フィールドやメソッド)を他のクラスに受け継がせることができるんだ。実際の例も踏まえて見てみよう。

大石ゆかり

はい!

 

継承とは

継承とは、あるクラスを作っているときに、クラスの一部を変更して使いまわしたいときに利用できる実装です。

つまり、あるクラスで定義したプロパティとメソッドをそのまま受け継ぎつつ、独自のプロパティやメソッドを差分として定義することが可能です。

 

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継承の書き方

それでは、具体的に継承の書き方を解説していきます。

 

スーパークラスを作成

継承元である「EmployeeBaseクラス」をスーパークラスと呼びます。

「EmployeeBaseクラス」

public class EmployeeBase {
    // フィールド
    String employeeName;// 社員名
    String divisionName;// 部署名
    // コンストラクタ
    public EmployeeBase() {
    }
}

 

継承せずにクラス作成

継承せずにクラスを作成すると、スーパークラスと同じようなコードを実装することになります。

今回は、学習用の短いコードのためこのままでもよい気はしますが、実務ではクラス内のプロパティやメソッドがこの10倍以上の分量あるとお考えいただくとわかりやすいかもしれません。

つまり、10倍以上のコード量がある場合、1箇所のプロパティやメソッドを修正する際に非常に負担がかかります。

継承していない「EmployeeDevクラス」

public class EmployeeDev{
    String employeeName;// 社員名
    String divisionName;// 部署名
    // コンストラクタ
    public EmployeeDev() {
    }
}

 

サブクラスを継承して作成

継承して作成したクラスをサブクラスと呼びます。

今回は、スーパークラスの「EmployeeBase クラス」を、サブクラス「EmployeeDevクラス」で継承するとします。 クラスを継承するときはクラス名の後ろに「extends クラス名」を付けて完成です。

サブクラス「EmployeeDevクラス」

public class EmployeeDev extends EmployeeBase {
    // コンストラクタ
    public EmployeeDev() {
    }

    // 引数ありコンストラクタ
    public EmployeeDev(String employeeName) {
        super.setEmployeeName(employeeName);
        super.setDivisionName(引数を指定);
    }
}

これでスーパークラスの「EmployeeBaseクラス」を継承したサブクラスの「EmployeeDevクラス」が完成しました。

 

継承のメリット

継承を利用することで、継承元のスーパークラス「EmployeeBase クラス」を変更すれば継承先のサブクラス「EmployeeDevクラス」まで変更が反映されます。

もちろん、すべてのプロパティやメソッドを使わず、継承先のサブクラス「EmployeeDevクラス」で独自のプロパティやメソッドを追加実装することで、必要以上の定義や修正をすることなく、効率的な開発が可能になります。

 

 

田島悠介
継承を行ったとき、元のクラスを「スーパークラス」、引き継いだクラスを「サブクラス」と言うよ。
大石ゆかり
メンバの継承は全部が行われるんですか?
田島悠介
必ず全てが行われるわけではなくて、例えばprivate修飾子を使うと継承しないという風に制御することも可能になっているんだ。
大石ゆかり
なるほど、色々な使い方ができるんですね。

 

実際に書いてみよう

以下のコードを書いてみましょう。 作成するファイルは3つです。「EmployeeBase.java」 「EmployeeDev.java」と「UseEmployeeDev.java」です。

EmployeeBase.javaのコード

package lesson;

public class EmployeeBase {
    // フィールド
    private String employeeName;// 社員名
    private String divisionName;// 部署名


    // コンストラクタ
    public EmployeeBase() {
    }

    // 引数ありコンストラクタ
    public EmployeeBase(String employeeName, String divisionName) {
        this.employeeName = employeeName;
        this.divisionName = divisionName;
    }

    // 自己紹介メソッド
    public void introduce() {
        System.out.println("私の名前は" + employeeName + "です。");
        System.out.println("所属部署は" + divisionName + "です。");
    }

    // getter setter
    public String getEmployeeName() {
        return employeeName;
    }
    public void setEmployeeName(String employeeName) {
        this.employeeName = employeeName;
    }
    public String getDivisionName() {
        return divisionName;
    }
    public void setDivisionName(String divisionName) {
        this.divisionName = divisionName;
    }

}

EmployeeBase.javaの解説

EmployeeBase.javaはスーパークラスです。

つまり、EmployeeBase.javaで用意した定義が継承される元のデータになります。

継承されるもの

フィールドやメソッド

継承されないもの

コンストラクタ
privateなフィールドとメソッド

// フィールド 部分ではprivateで宣言されているため、継承されません。

// コンストラクタは、フィールドへの初期値を設定する一般的な方法です。

// 引数ありコンストラクタを利用するとき、初期値を設定するときに引数を指定できます。

this と記載することで、自分のクラスのフィールドやメソッドを操作することができます。

// getter setter と記載されている部分で、スーパークラスのフィールドへの読み書きを行います。

// 自己紹介メソッドでは、introduce()が呼び出されたとき、変数divisionName変数employeeName を利用した上で、自己紹介文を表示することが可能です。

 

 

EmployeeDev.javaのコード

package lesson;

public class EmployeeDev extends EmployeeBase {

    // コンストラクタ
    public EmployeeDev() {
    }

    // 引数ありコンストラクタ
    public EmployeeDev(String employeeName) {
    	super.setEmployeeName(employeeName);
        super.setDivisionName("開発部");
    }
}

EmployeeDev.javaの解説

2行目のpublic class EmployeeDev extends EmployeeBaseでは、スーパークラスの「EmployeeBaseクラス」を継承したサブクラスの「EmployeeDevクラス」を準備しています。

// 引数ありコンストラクタでは、仮引数employeeNameを変数として利用し、「開発部」という文字列とで初期化しています。

super はスーパークラスのメソッドを明確に指定する目的で記載しています。

 

UseEmployeeDev.javaのコード

package lesson;

public class UseEmployeeDev {

    public static void main(String[] args) {
        EmployeeDev dev = new EmployeeDev("煌太郎");

        // スーパークラスのメソッドも利用可能
        dev.introduce();
    }

}

 

UseEmployeeDev.javaの解説

UseEmployeeDev.javaを実行することで、今回の継承処理を確認可能です。

4行目のEmployeeDev dev = new EmployeeDev(“煌太郎”);では、EmployeeDevというクラスに煌太郎という引数を指定した上で、インスタンス化しています。

ここでは、引数ありのコンストラクタを利用することで、スーパークラスのsetterメソッドを呼び出してフィールドを全部埋めています。

最終的にオブジェクトで利用できるようにdevへ代入しています。

6行目のdev.introduce();では、// スーパークラスのメソッドも利用可能とあるように、EmployeeBase.javaで宣言した// 自己紹介メソッド introduce() を継承し利用しています。

結果的に、

私の名前は煌太郎です。
所属部署は開発部です。

という表示をすることが可能です。

 

実行結果

私の名前は煌太郎です。
所属部署は開発部です。

 

実行画面

 

田島悠介

スーパークラスのメソッドをサブクラスで上書きすることもできるんだ。これをオーバーライドというよ。

大石ゆかり

さっきのprivate修飾子もそうですが、色んな操作が可能になっているんですね。

田島悠介

継承に関する修飾子は他にもいくつかあるけれど、まずはそのまま継承する方法を覚えておこう。

大石ゆかり

実際に書いて練習してみます。ありがとうございました!

 

この記事を監修してくれた方

中本賢吾(なかもとけんご)
アジマッチ有限会社 代表取締役社長開発実績:PHPフレームワークによるフランチャイズ企業向け会員制SNS。Shopifyによる海外進出用大規模ネットショップ構築。Vue.jsによる金融機関向け内部アプリ。AWSやLinuxハウジングサーバーでの環境構築。人工知能を利用した画像判別システム。小売チェーン店舗用スマホアプリ。Wordpressによる不動産チェーン店向け賃貸・売買仲介システム。基幹システム移管用データコンバートシステム。

 

小学生がUnityでオリジナルAndroidアプリをGooglePlayでリリース、NHK Whyプログラミング入賞、全国Programing Festival入賞、中学生がノーコードでSNS型PWAアプリリリースなど、ボランティアプログラミング教育活動行っている。

 

また、Javaの学習サイトもまとめているので、合わせてご覧ください。

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