Kotlinのequalsメソッドの使い方を現役エンジニアが解説【初心者向け】
初心者向けにKotlinのequalsメソッドの使い方について現役エンジニアが解説しています。equalsとは同一性を判断するメソッドです。オブジェクトの同一性には、構造的同一性と参照的同一性があります。equalsメソッドの使い方やオブジェクトの比較について解説します。
テックアカデミーマガジンは受講者数No.1のプログラミングスクール「テックアカデミー」が運営。初心者向けにプロが解説した記事を公開中。現役エンジニアの方はこちらをご覧ください。 ※ アンケートモニター提供元：GMOリサーチ株式会社 調査期間：2021年8月12日～8月16日 調査対象：2020年8月以降にプログラミングスクールを受講した18～80歳の男女1,000名 調査手法：インターネット調査
Kotlinのequalsメソッドの使い方について、TechAcademyのメンター（現役エンジニア）が実際のコードを使用して初心者向けに解説します。
初心者向けにKotlinの入門向けサイトをまとめた記事もありますので読んでみてください。
なお本記事は、TechAcademyのオンラインブートキャンプ、Androidアプリ開発講座の内容をもとに作成しています。
今回は、Androidアプリ開発に関する内容だね！
どういう内容でしょうか？
Kotlinのequalsメソッドの使い方について詳しく説明していくね！
お願いします！
目次
equalsメソッドの概要
equalsは同一性を判断するメソッドです。
Kotlinの同一性には2つの種類があります。なお以下の文中では、数値や文字列などのプリミティブ型を含む、Kotlinで扱う全ての型をまとめてオブジェクトと表現しています。
構造的同一性(Structural equality)
オブジェクトの値が等しければ同一とする考え方です。「==」演算子が該当します。
equalsメソッドも構造的同一性を判断するメソッドです。オブジェクトがプリミティブ型であればその値が、オブジェクトがプロパティで構成されていればすべてのプロパティの値が等しければ同一とします。なお、オブジェクトがnullの場合は、後述する参照同一性でnullと比較されます。
参照同一性(Referential equality)
オブジェクトが同じオブジェクトを指していれば同一とする考え方です。「===」演算子が該当します。具体的には後述する実際のコードで確認していきましょう。
Kotlin の同一性について、詳しくは公式サイトも参考にしてください。
Kotlin Language Guide – Equality
[PR] Androidアプリの開発で挫折しない学習方法を動画で公開中
実際に使ってみよう
それでは実際にequalsメソッドを記述して確認しましょう。ソースコードの入力と実行はKotlin Playgroundで行います。
ソースコードは以下のとおりです。
data class Person(val name:String, var age:Int = 0)
fun main() {
// プリミティブ型の同一性
val a = "a"
val b = "a"
val c = "b"
println(a.equals("a")) // true
println(a.equals(b)) // true
println(a == b) // true
println(a.equals(c)) // false
// データクラス(インスタンス)の同一性
val taro = Person("Taro")
val taro2 = Person("Taro")
println(taro.equals(taro2)) // 構造的同一性はtrue
println(taro === taro2) // 参照同一性はfalse
}
実行結果は以下のとおりです。参照同一性は全てのプロパティの値が一致していてもオブジェクトが別のものを指している場合はfalseとなりますので注意しましょう。
true true true false true false
equalsメソッドを利用する上で注意すべきJavaとKotlinの違い
Kotlinでequalsメソッドを利用する上で注意すべき点としてはボクシングがあります。
ボクシングとはプリミティブ型をオブジェクトに変換することです。数値のボクシングは構造的同一性は担保できますが、参照同一性は保持していません。
Kotlinの公式サイトに掲載されている例で確認しましょう。
fun main() {
val a: Int = 10000
println(a === a) // 'true'を出力する
val boxedA: Int? = a
val anotherBoxedA: Int? = a
println(boxedA === anotherBoxedA) // !!! 'false'を出力する !!!
}
実行結果は以下のとおりです。
true false
まとめ
今回の記事ではequalsメソッドの使い方について学習しました。
監修してくれたメンター
| 太田和樹（おおたかずき）
ITベンチャー企業のPM兼エンジニア。 普段は主に、Web系アプリケーション開発のプロジェクトマネージャーとプログラミング講師を行っている。守備範囲はフロントエンド、モバイル、サーバサイド、データサイエンティストと幅広い。その幅広い知見を生かして、複数の領域を組み合わせた新しい提案をするのが得意。 開発実績：画像認識技術を活用した駐車場混雑状況把握（実証実験）、音声認識を活用したヘルプデスク支援システム、Pepperを遠隔操作するアプリの開発、大規模基幹系システムの開発・導入マネジメント。 地方在住。仕事のほとんどをリモートオフィスで行う。通勤で消耗する代わりに趣味のDIYや家庭菜園、家族との時間を楽しんでいる。 |
内容分かりやすくて良かったです！
ゆかりちゃんも分からないことがあったら質問してね！
分かりました。ありがとうございます！
TechAcademyでは、初心者でも最短4週間で、Kotlinの技術を使ってAndroidアプリ開発を習得できる、オンラインブートキャンプを開催しています。
また、現役エンジニアから学べる無料体験も実施しているので、ぜひ参加してみてください。
