JavaScriptのletとvarの違いについて現役エンジニアが解説【初心者向け】
初心者向けにJavaScriptのletとvarの違いについて現役エンジニアが解説しています。letもvarも変数を定義する場合に使います。letとvarの違いは、変数のスコープになります。スコープは有効範囲のことでletはブロックスコープで、varは関数スコープになります。letとvarの違いを解説します。
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JavaScriptのletとvarの違いについて、TechAcademyのメンター(現役エンジニア)が実際のコードを使って初心者向けに解説します。
そもそもJavaScriptについてよく分からないという方は、JavaScriptとは何なのかについて解説した記事を読むとさらに理解が深まります。
なお本記事は、TechAcademyのオンラインブートキャンプJavaScript/jQuery講座の内容をもとにしています。
今回は、JavaScriptに関する内容だね!
どういう内容でしょうか?
JavaScriptのletとvarの違いについて詳しく説明していくね!
お願いします!
目次
JavaScriptの変数定義について
varを使った変数定義
JavaScriptの変数定義方法は、長い間このような形式が主流でした。
var str1 = "こんにちは";
少なくとも2010年以前に開発されたコードは、varによる変数定義が主流になっているでしょう。
letを使った変数定義
ECMAScript 2015 (ES6)からは、letとconstがサポートされるようになりました。letはvarに代わる変数定義方式として用いられ、constは定数を定義するために使われます。
letは、varと同じように、以下のように利用可能です。
let str2 = "こんにちは";
また、constを使うと、後で変更不可能な「定数」を定義できます。
const message1 = "ログインIDは入力必須です";
Javaプログラマにとっては定数定義は昔からの常識ですので、constの導入を歓迎する方は多いでしょう。
letとvarの違い
letとvarのどちらを使えばよいのか
JavaScriptの変数定義において、varの代わりにletが使われ始め、どちらを使えば良いのか困惑されている方も多いと思います。
そういった場合、「letを使えば大丈夫」と覚えておきましょう。実際、varを使った変数定義はこの先非推奨になるのではないかと言われています。
letはブロックスコープに対応
letを使って定義した変数は、「ブロックスコープ」を持っています。また、letがES6でサポートされた理由の一つが、varではブロックスコープに対応できない問題に対処するためです。
ブロックスコープとは、例えば以下のようなfor文の処理ブロックの範囲のことです。
JavaScript
for(var ivar =0; ivar<3 ; ivar++){ // ブロックスコープ内 console.log(`varでカウントします${ivar}`); // ブロックスコープ内 } console.log("forの外です" + ivar); // ブロックスコープ外
実行結果
varでカウントします0 varでカウントします1 varでカウントします2 forの外です3
上記のサンプルでは、varで定義した変数を使ってfor文のカウンタivarを初期化して処理を実行していますが、なんとfor文の処理ブロック外でもivarを参照できてしまっています。
Javaなどの他プログラミング言語仕様と比べると、非常にバグを誘発しやすい仕様となっており、これがletの利用が推奨される大きな理由です。
varは変数の重複定義が可能
これもバグにつながりやすい仕様なのですが、実はvarは同じ変数名で重複定義が可能です。
JavaScript
var testVar = "こんにちは"; console.log(testVar); var testVar = "こんばんは"; // エラーにならない console.log(testVar);
実行結果
こんにちは こんばんは
一方、letを使って変数を重複定義すると、プログラム実行前にconsoleにエラーが出力されます。
letで変数を重複定義した場合の実行結果
Uncaught SyntaxError: Identifier 'testLet' has already been declared
実際に使ってみよう
letやconstを使った変数定義と、letでブロックスコープが機能している例をご紹介します。
letはvarよりも厳しい扱いをする仕組みのため、実行結果にエラーが出てしまいますのでご了承ください。
JavaScript
// 基本的な変数定義の確認 let str01 = "こんにちは"; const strConst = "こんばんは"; console.log( str01 ); console.log( strConst ); // letのブロックスコープの確認 for(let ilet =0; ilet < 3; ilet++){ console.log(`letでカウントします${ilet}`); } console.log("forの外です" + ilet); // 本来参照されてはいけない位置
実行結果
こんにちは こんばんは letでカウントします0 letでカウントします1 letでカウントします2 Uncaught ReferenceError: ilet is not defined
まとめ
今回はJavaScriptの新しい仕様におけるletについて解説しました。
varとletはほぼ同じ使い方ができますので、letを使えば間違いないと覚えておきましょう。また、変更されたくない変数を定義したい場合は、constで定数を定義して使っていきましょう。
筆者プロフィール
寺谷文宏(てらたにふみひろ)
Webアプリケーションエンジニアとして数多くのプロジェクトを経験し、フロントエンドからサーバーサイドまで総合的な開発を得意としています。 TechAchademyではフロントエンド、Javaコースを担当。 |
内容分かりやすくて良かったです!
ゆかりちゃんも分からないことがあったら質問してね!
分かりました。ありがとうございます!
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