PythonのPyomoモジュールについて現役エンジニアが解説【初心者向け】
初心者向けにPythonのPyomoモジュールについて解説しています。これは最適化問題を解くときに使用されます。Pyomoモジュールの導入方法、ナップサック問題による使用例について見ていきましょう。
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PythonのPyomoモジュールについて、TechAcademyのメンター(現役エンジニア)が実際のコードを使用して初心者向けに解説します。
そもそもPythonについてよく分からないという方は、Pythonとは何なのか解説した記事を読むとさらに理解が深まります。
なお本記事は、TechAcademyのオンラインブートキャンプPython講座の内容をもとに紹介しています。
今回は、Pythonに関する内容だね!
どういう内容でしょうか?
Pyomoモジュールについて詳しく説明していくね!
お願いします!
目次
Pyomoモジュールとは
Pyomoとは、最適化問題を解くために使うPythonのパッケージです。
最適化問題を解くときには最適化モデルを用意する必要があります。pyomoであればそれらのモデルを定式化させることでメソッドを呼び出すだけで簡単に目的の最適化問題を解けるようにしています。
最適化モデルはPythonのソースコード上で記述することもできますし、データベースやCSVなどの外部ソースからも定義できます。
pyomoはBSDライセンスのオープンソースとなっています。
Pyomoモジュールの使い方
まずは、インストール方法を紹介します。pipで配布されているので、以下のコマンドでインストールできます。
pip install pyomo
これでライブラリそのものはインストールできましたが、問題を解くために必要なソルバーがインストールされていません。そこで、任意のソルバーをインストール必要があります。以下はMacでglpkをインストールする例です。
brew install glpk
モジュールのインポートは以下のように行います。
from pyomo.environ import *
モデルの定義は以下の書き方でできます。
M = ConcreteModel()
最適化問題をするにあたり、各変数に対してキーワードを割り当てることができます。そのときに使われるのがSet()メソッドです。
以下のように定義すると、リストで指定した内容をキーワードとして保持できます。
M.ITEMS = Set(initialize=['red', 'green', 'blue'])
このキーワードを最適化問題を行うときのインデックスとして定義するときには、以下のように設定することでインデックスとして定義できます。
M.x = Var(M.ITEMS, within=Binary)
結果を出力するときには以下のようにソルバーを呼び出して結果を出力させます。
opt = SolverFactory("glpk") result = opt.solve(M, tee=True) M.display()
実際に書いてみよう
それでは、実際にサンプルコードを動かしてみましょう。
今回は最適化問題では定番のナップサック問題を説いていきます。ナップサック問題は、ナップサックに入る重さの限度内で荷物の価値が最大になる組み合わせを考える問題です。
以下のサンプルコードを任意のディレクトリに保存します。
from pyomo.environ import * v = {'banana':8, 'grape':3, 'apple':6, 'peach':11} w = {'banana':5, 'grape':6, 'apple':3, 'peach':7} limit = 20 M = ConcreteModel() M.ITEMS = Set(initialize=v.keys()) M.x = Var(M.ITEMS, within=Binary) M.value = Objective(expr=sum(v[i]*M.x[i] for i in M.ITEMS), sense=maximize) M.weight = Constraint(expr=sum(w[i]*M.x[i] for i in M.ITEMS) <= limit) opt = SolverFactory("glpk") result = opt.solve(M, tee=True) M.display()
サンプルコードを実行すると、以下のように結果が出力されます。実際はデバッグが表示されますが、長くなるので省略しています。
Variables: x : Size=5, Index=ITEMS Key : Lower : Value : Upper : Fixed : Stale : Domain apple : 0 : 0.0 : 1 : False : False : Binary banana : 0 : 1.0 : 1 : False : False : Binary grape : 0 : 0.0 : 1 : False : False : Binary melon : 0 : 1.0 : 1 : False : False : Binary peach : 0 : 1.0 : 1 : False : False : Binary Objectives: value : Size=1, Index=None, Active=True Key : Active : Value None : True : 29.0 Constraints: weight : Size=1 Key : Lower : Body : Upper None : None : 20.0 : 20.0
この結果から、限度内で最大の価値を出す組み合わせはメロン、バナナ、ピーチで価値が29ということが分かりました。
まとめ
今回はpyomoを使って最適化問題を解く方法を紹介しました。結果が細かく出力されるので、詳細に結果を求めたいときにはとても便利なモジュールだと思います。ただ、ソルバーは自力でインストールする必要があるので、そこは要注意です。
監修してくれたメンター
メンター 三浦
モバイルゲームを運用している会社のエンジニアをしています。趣味でWEB開発やクラウドコンピューティングもやっており、ソフトもハードもなんでもやります。 |
内容分かりやすくて良かったです!
ゆかりちゃんも分からないことがあったら質問してね!
分かりました。ありがとうございます!
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