【デザインする前に知っておきたい!】よくあるUXのトラップを避ける方法とは
デザイナーが陥りやすいUXにおける4つの典型的なトラップとその回避方法を紹介しています。Webサイトやスマホアプリにおいて「UX」は欠かせません。デザインする前にどうしたらユーザーに好まれるサイトになるのか知っておきましょう。
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本稿は、Web Designerdepotのブログ記事を、Web Designerdepotより了解を得て日本語翻訳し掲載した記事になります。
本記事は、Webデザイナー・グラフィックデザイナーのJames George氏によって投稿されました。
Webサイトを訪問したときに、あなたもフラストレーションやストレスを感じた経験がありませんか。特にウェブサイトがUXの実践原則を無視している場合には、よく起こり得ることです。
Webサイトの構築に携わる場合、ユーザーに好まれるサイトを作ろうと考えたら、UXの問題は避けて通ることができないでしょう。ここではデザイナーが陥りやすいUXにおける4つの典型的なトラップとその回避方法を紹介します。
1. フォーム
フォームは、ユーザー、クライアント、カスタマーの情報を収集するために不可欠です。フォームの利用は避けて通れないものであり、ユーザーが入力しやすいフォームでなければなりません。
フォームでの質問の数は、Webサイトにとって必要なだけの少ない範囲に絞るべきです。オンラインフォームの最大の問題の1つは、入力についての説明がユーザーに与えられていないケースです。
フォームの作成
具体的な情報の入力を求めるときには、何の入力を求めているのか強調しましょう。日付、時刻など形式的な情報を入力するフォームには、その入力例が示されているべきです。入力後にエラーメッセージを受信することほど、ユーザーにとってイライラすることはありません。
プレースホルダーテキスト
さらに、フォームのフィールドにプレースホルダーテキストを設定して入力例を示しておけば(画像では赤い矢印の先)、ユーザーが情報入力するときのヒントとして役立ちます。
ただし、ユーザーがフォームに入力を開始した時に、プレースホルダーテキストが消えない設計は良くありません。ユーザーは入力を止めて、プレースホルダーテキストをコピー&削除して、最初から入力し直すことになるためフラストレーションの原因となります。
ユーザーが入力フィールドをセレクトした時に、プレースホルダーテキストが消えるか確認しましょう。
エラーメッセージ
Webサイトで、説明も何もないエラーメッセージを受信することほど、イライラするものはありません。ユーザーへのエラーメッセージには、エラーの原因についての説明とその解決策が添えられているべきです。
例えば、ユーザー名とパスワードによるログインをユーザーが試みたときに、一方を間違えたことが原因でログインに失敗した場合、どちらがエラーの原因となったのか説明が必要です。
世界中のウェブサイトで数多くのログインが行われているため、ユーザー名とパスワードの組合せは日々蓄積されていきます。私自身、いつも使っていたユーザー名とパスワードの組合せを、Webサイトが求める条件(使用するアルファベット、数字、文字、句読点、記号などについて)を満たしていなかったという理由で、変更しなければならなかったことが何度かあります。
他にも次のような例があります。
登録のプロセスでは、入力されたパスワードのペアが一致しないときや、ユーザー名がすでに登録されているときには、ユーザーが情報を送信する前にエラーメッセージを表示するべきです。
十分な説明が与えられないまま何度もやり直しをするのは、誰でもイヤなものです。ユーザーのために、1回で正しい情報を送信できるような工夫ができれば、あなたは貢献度の高い仕事をしたことになります。
2. 大きなヘッダーがナビゲーションに使われている
この設計は最近は人気なのかわかりませんが、多くのWebサイトで見かけます。大きなサイズのヘッダーなどがナビゲーションの要素として使われていると、ユーザーがページをスクロールダウンするときに、多くのコンテンツが見えなくなります。
読みたいコンテンツに進みにくいときや、コンテンツがナビゲーションの要素で隠されてしまうとき、ユーザーにとってとくにフラストレーションとなるでしょう。
モバイル対応サイトではとくに注意
さらに悪いケースでは、サイトがモバイル対応の小さなサイズに設計されているのに、大きなサイズのヘッダーはそのままです。スマートフォンの画面は余白のスペースが限定されているため、これではユーザーエクスペリエンスの質が下がってしまいます。ナビゲーションの要素を表示するとしたら、小さなサイズのアイコンに変えるか、邪魔にならない場所に配置しましょう。
3. コントラストが低い
私は視力が良いほうですが、チャコールグレーのテキストを黒の背景上で読むのは、好きではありません。おそらく誰でもそう思うでしょう。Webデザインにおいてはコントラストが重要です。
テキスト
テキストは、文字のウェイト(太さ)も考えて、読みやすくするべきです。ウェイト(太さ)の値が100のフォントは、特殊なケースを除いてWeb上での利用には適していません。極細の文字をスマートフォンに使うのも良くありません。字形がよく見えるように、コントラストは十分高くしておくべきです。
色
Webサイトの全ての要素について、色同士のコントラストを十分高くしておくと見やすくなります。とくにテキストと背景は高いコントラストにしておくべきです。リンク、ナビゲーションの要素、アイコンについても同様です。ユーザーがコンテンツを探すのが難しくなるような、低いコントラストは良くありません。
CTA(CALLS TO ACTIONS 、コールトゥアクション)
リンクやナビゲーションの要素と同様に、CTA(コールトゥアクション:ユーザーにアクションを促す要素)もコントラストを高くするべきです。サイトの訪問者にアクションを期待するときには、この要素を目立たせて、読みやすくロードしやすいデザインにします。
効果的ではないCTAの例として、背景に同化して目立たないボタン要素、さらにひどい場合には、ホワイトスペースで囲まれたテキストのみでボタンのない要素があります。
4. モバイルサイトのタッチターゲット
モバイルサイトでよく見かけますが、これは最もフラストレーションとなる要素の1つです。
クリックできるボタンやリンクを作るときには、ユーザーが間違って他の要素をクリックしないように、十分なスペースを設けます。スマートフォンの場合には、ボタンやリンクをタップしやすくなるよう、画面の端から十分な距離を離しましょう。
ボタンが画面の4隅のいずれかに寄りすぎているときには、正確にタップすることが物理的に難しくなります。ユーザーの指が大きめの場合、スマートフォンがユーザーのアクションを認識できないおそれもあります。このときユーザーは機能を使うために何度もタップしなければなりません。これらの要素にはスペースを設けることが大変重要です。
画像:要素が私のスマートフォンの画面では端に寄りすぎています。スクリーンにタッチして設定するのに、5~6回も試さなければならないこともあります。
結論
UXの典型的な問題は、あらかじめよく考え、少しの手間をかけることで容易に回避できます。もしサイト訪問者に、利用を楽しんでもらいたいと思うなら、このプロセスをシンプルで柔軟にしておくことが大切です。
ユーザーにアクションを繰り返し要求することを回避できれば、フラストレーションを減らすことができます。
また、良くデザインされたサイトに誰もが期待するようなユーザーエクスペリエンスを、提供できるでしょう。
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