Javaの匿名クラス(無名クラス)の使い方【初心者向け】
初心者向けにJavaの匿名クラス(無名クラス)の使い方について解説しています。匿名クラス(無名クラス)はその場だけで使うクラスを作成するためなどに使用されます。通常のクラスとの書き方の違い、実践での使い方について見ていきましょう。
テックアカデミーマガジンは受講者数No.1のプログラミングスクール「テックアカデミー」が運営。初心者向けにプロが解説した記事を公開中。現役エンジニアの方はこちらをご覧ください。 ※ アンケートモニター提供元:GMOリサーチ株式会社 調査期間:2021年8月12日~8月16日 調査対象:2020年8月以降にプログラミングスクールを受講した18~80歳の男女1,000名 調査手法:インターネット調査
この記事では、Javaの匿名クラス(無名クラス)の使い方について解説します。
実際にプログラムを書いて説明しているので、ぜひ理解しておきましょう。
そもそもJavaについてよく分からないという方は、Javaとは何なのか解説した記事を読むとさらに理解が深まります。
なお本記事は、TechAcademyのオンラインブートキャンプJava講座の内容をもとに作成しています。
今回は、Javaに関する内容だね!
どういう内容でしょうか?
匿名クラス(無名クラス)の使い方について詳しく説明していくね!
お願いします!
匿名クラス(無名クラス)とは
匿名クラス(無名クラス)は、Javaにおける特殊なクラスのひとつです。
次のような特徴があります。
- クラス名が無い
- あるメソッドの中で宣言され、その中でしか使われない (1回かぎり)
匿名クラス(無名クラス)の使い方
通常、クラスは「宣言(定義)」と「利用」が分かれています。
どういうことかというと、まず次のようにクラスを宣言します。
class Something { void doSomething() { ... } }
そして、このクラスを利用するときは「new SomeClass( )」とインスタンス化してメソッドを呼び出します。
class Application { public static void main(String[] args) { Something obj = new Something(); obj.doSomething(); } }
一方、匿名クラスでは、次のような構文で「宣言」と「利用」を一度に行います。
new 親クラスまたはインターフェイス名() { // 匿名クラスの内容 (フィールドやメソッドの定義) };
「親クラスまたはインターフェイス」の名前の無いサブクラスをその場で宣言して利用する、というイメージです。
実際に書いてみよう
例として、社員のリストを年齢順に並び替えるというプログラムで匿名クラスを使ってみましょう。
まずは社員を表す「Employee」クラスを宣言します。
class Employee { private String name; private int age; Employee(String name, int age) { this.name = name; this.age = age; } // Getter/Setterは省略 }
次に社員をインスタンス化し、年齢順に並び替える「Application」クラスです。
まずは社員のリストを準備します。
import java.util.*; class Application { public static void main(String[] args) { List<Employee> list = new ArrayList<>(); list.add(new Employee("鈴木一郎", 32)); list.add(new Employee("島田華", 28)); list.add(new Employee("堀光太郎", 53)); list.add(new Employee("三浦泰造", 24)); } }
そして、続けてリスト内の社員を並び替える処理を加えます。
「java.util.Collections」クラスに、リストを並び替えるメソッド「 sort 」が用意されていますので、今回はこれを利用しましょう。
import java.util.*; class Application { public static void main(String[] args) { List<Employee> list = new ArrayList<>(); // 省略 Collections.sort(list, new Comparator<Employee>() { public int compare(Employee e1, Employee e2) { return Integer.compare(e1.getAge(), e2.getAge()); } }); } }
「new Comparator<Employee>( ) …」の部分が、匿名クラスです。
2つの要素を比較するインターフェイス「java.util.Comparator」のサブクラスをその場で宣言し、「Collections.sort( )」メソッドの引数として渡して(利用して)います。
このように、その場でクラスを宣言・利用することで得られるメリットとしては、使っているその場所で何をしているかすぐ分かる、ということがあります。
上記例であれば「 Integer.compare( )」を知っていれば、「年齢の昇順で並び替えているのだな」ということがすぐに分かります。
また、この例程度にシンプルでかつプログラムの他の箇所で使われる可能性が無い処理なのであれば、使い捨てでも問題無さそうですね。
補足
冒頭で次のような特徴を紹介しました。
あるメソッドの中で宣言され、その中でしか使われない (1回かぎり)
厳密には、匿名クラスのインスタンスをフィールドに格納して使い回すこともできますので「メソッドの中」「1回かぎり」でないこともあるのですが、まずはシンプルな内容から理解いただきたいため、このような記述としています。
実際の開発でも、メソッド内で宣言・利用されることがほとんどです。
監修してくれたメンター
青柳哲夫
独立系SIerやベンチャーを経て、現在はフリーランスエンジニアとして活動しています。 |
内容分かりやすくて良かったです!
ゆかりちゃんも分からないことがあったら質問してね!
分かりました。ありがとうございます!
TechAcademyでは、初心者でもJavaやServletの技術を使ってWebアプリケーション開発を習得できるオンラインブートキャンプJava講座を開催しています。
挫折しない学習方法を知れる説明動画や、現役エンジニアとのビデオ通話とチャットサポート、学習用カリキュラムを体験できる無料体験も実施しているので、ぜひ参加してみてください。