CSSの設計指針FLOCSSの導入方法を現役エンジニアが解説【初心者向け】
初心者向けにCSSの設計指針FLOCSSの導入方法について解説しています。FLOCSSはCSS設計の指針のひとつになります。FLOCSSの基本原則や命名規則、導入することによるメリットについて学びましょう。
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CSSの設計指針FLOCSSの導入方法について、TechAcademyのメンター(現役エンジニア)が実際のコードを使用して初心者向けに解説します。
そもそもCSSについてよく分からないという方は、CSSの書き方について解説した記事を読むとさらに理解が深まります。
なお本記事は、TechAcademyのオンラインブートキャンプWebデザイン講座のCSSカリキュラムをもとに執筆しています。
今回は、CSSに関する内容だね!
どういう内容でしょうか?
CSSの設計指針FLOCSSの導入方法について詳しく説明していくね!
お願いします!
目次
CSSのための設計指針(SMACSS、OOCSS、FLOCSSなど)
運用期間が長く、規模が大きいWebサイトのコードを管理するのは難しいです。 複数人でコードを書く場合もありますし、コードを書いた当人でも期間が空いてしまうと忘れてしまうことは珍しくありません。
コードを書く上で、無駄に量を書かずバグを発生させないようにするのは難しいです。 一時しのぎの自分しかわからないコードは未来の自分の首を締めかねません。 そういった問題を減らすためにCSSには設計指針を建てる必要があります。
良いCSSとは
設計の指針としてGoogleのエンジニアであるフィリップス・ウォルトン氏のブログから引用すると次の4つがあります。
- 予測しやすい
- 再利用しやすい
- 保守しやすい
- 拡張しやすい
予測しやすい
予想どおりのものであるのか、他のルールが影響せずに使えることです。
再利用しやすい
コピー&ペーストされ量が多くならないために再利用しやすいことは大切です。 機能ごとに分離されていて、遭遇したUIデザインのHTMLとCSSを一度作成し、 にたUIデザインに遭遇した時に1から書き直さなくてもUIデザインを再現できるのが理想的です。
保守しやすい
新しいルールを追加・更新する時にリファクタリングを必要としないことです。既存のルールを壊さないようにしましょう。
拡張しやすい
自分とその他の開発者にとってメンテナンス・管理がしやすくなくてはいけません。
この4つの指針をもとに設計をしなくてはいけません。 CSSの再利用性や保守性を高めるにはコンポーネントを理解する必要があります。
コンポーネント設計について
コンポーネントは元々は工学分野の言葉です。 コンポーネントを定義するのは難しいですが、噛み砕いていえば 機能や振る舞いなどを明確に分離をすることです。
分離をするにはカプセル化を意識することが大切です。
FLOCSSとは
CSS設計の基本理念はOOCSS,SMACSSの影響を受けています。セレクタの命名規則はBEMのBlock,Element,Modifierという構造を命名に反映したルールになっています。
FLOCSSの主な内容
FLOCSSは
- Foundation
- Layout
- Object
とObjectのサブレイヤーである
- Project
- Compoonent
- Utility
で構成されます。
Foundation
- Reset.css やNormalize.css などを用いたブラウザのデフォルトスタイル。
- ページの下地としての全体の背景や、基本的なタイポグラフィなど
- 変数、Mixin やFunction のコードなども
Layout
- ヘッダーやメインのコンテンツエリア、サイドバーやフッ ターといったプロジェクト共通のコンテナーブロックのスタイルを定義
Object
- プロジェクトにおける繰り返されるビジュアルパターンをすべて
- Component
- パターンとして再利用できる汎用的なモジュール。
- フォームのテキストフィールド( など)や、ボタンなど。
- Project
- プロジェクト固有のパターンが定義されるレイヤーです。
- 記事一覧、ユーザープロフィール、画像ギャラリーなどコンテ ンツを構成する要素などが該当。
- Utility
- Component とProject で解決することが難しい、例外的にわずか なスタイル調整が必要な場合などに使えるヘルパ一クラス。
命名規則
接頭辞
各レイヤーに分類されたモジュールは、それぞれ属するレイヤ一を表す接頭 辞を名前の先頭につけることを推奨しています。
Layout: .l-*
Component: .c-*
Project: .p-*
Utility: .u-*
BEM記法
モジュールはBEM の構造にならい、Block 、Element 、Modifier をあらわす名前をベ一スに記述します。
/* Layout */
.l-header { ... }
/* Component */
.c-button { ... }
.c-button__icon { ... }
.c-button--primary { ... }
/* Project */
.p-article { ... }
.p-article__header { ... }
.p-article--ad { ... }
/* Utility */
.u-block { ... }
.u-mbs { ... }
FLOCSSを導入するメリット
FLOCSSは日本でできたCSS設計のため日本語のドキュメントが豊富で、学習がしやすいです。 また、OOCSS,SMACSS,BEM,SuitCSSといった既存の設計思想を組み合わせたものがベースとなっています。単純に結合したのではなく、それぞれの思想のいいところを組み合わせたものです。
なので、今まで他のCSS設計を触った経験がある方は学習しやすいですし 初めてFLOCSSを触った方はその次に使うCSS設計へ抵抗感を少なく学習することができます。
監修してくれたメンター
メンターKY
受託制作などを5年経験し、フリーランスデザイナーに。 ヒアリングから提案・デザイン・チームマネジメントまで対応。現実的なデザインを心がけています。 |
内容分かりやすくて良かったです!
ゆかりちゃんも分からないことがあったら質問してね!
分かりました。ありがとうございます!
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