基礎から理解しよう!サーブレット(Servlet)/JSPとは【初心者向け】
Java初心者向けにサーブレット(Servlet)/JSPについて詳しく解説しています。サーブレットとJSPはどういった特徴を持ってどういう場面で使われているのか理解しておきましょう。サンプルプログラムも書いているので、実際に書いてみましょう。
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この記事では、Javaサーブレット(以降サーブレット)とJSP(Java Server Pages)を説明します。
また、サーブレット、JSPの簡単なプログラムを作成してTomcat上で実行し、Webブラウザからアクセスしてみます。JavaでWebアプリケーションを作る上で大事な役割を担うので、ぜひ理解しておきましょう。
なお本記事は、TechAcademyのJava講座の内容をもとに作成しています。
今回はサーブレット/JSPについて説明するよ。
田島メンター!サーブレットとJSPはどういうものなんでしょうか〜?
どちらもWebサーバ上でJavaを動作させるためのものなんだ。それぞれについて具体的に見ていこう。
分かりました!
サーブレット/JSPとは
サーブレット/JSPは、Webサーバ上でJavaを実行し、動的にWebページを生成するための技術です。
JSPはHTMLの一部として、Javaのコードを記述できるのが特徴です。
特に大規模アプリケーション開発では、サーブレットとJSPを分け、プログラマーとデザイナーで役割分担できることが重宝されています。
サーブレットの動作概要
- クライアントがサーブレットにリクエストを発行すると、サーブレットのserviceメソッドが呼び出されます。
- 最初にサーブレットはリクエストがGETメソッドかPOSTメソッドかを判定します。
(GETメソッド、POSTメソッドの差異はこちらをご覧ください。)リクエストのメソッド 対応するサーブレットのメソッド GET doGet POST doPost - doGetメソッド、doPostメソッドともに、HttpServletRequestインスタンス、HttpServletResponseインスタンスを引数にとります。
- HttpServletRequestインスタンスから、リクエストの属性や中身を取得できます。
- HttpServletResposeインスタンスに、レスポンスを書き込みます。
JSPの動作概要
- JSPはHTMLによく似た構造ですが、Javaコードを含んでいるのが特徴です。
- クライアントがJSPを要求すると、WebサーバはJSPをサーブレットにコンパイルします。
- 後は「サーブレットの動作概要」と同様に、サーバ側の処理が行われます。
サーブレットとJSPの概要だね。
どちらか一方だけというよりは、両方使い分けて開発していく感じなんですね。
次にそれぞれの実際の記述例を見てみよう。ここでは文字列を出力させる基本的なコードを書いてみるよ。
実際に書いてみよう
環境
この記事のプログラムは以下の環境で作成、実行しました。
- Eclipse 4.7.2
- Apache Tomcat 9.0.6
- Tomcatがlocalhost, 8080で動作しています。
- Eclipseで動的Webプロジェクト「dynamic_web_alpha」を作成し、作業しています。
JSPの例
以下のようなtest0.jspを作成しました。
ソースコード
<%@ page language="java" contentType="text/html; charset=ISO-8859-1" pageEncoding="ISO-8859-1"%> <!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01 Transitional//EN" "http://www.w3.org/TR/html4/loose.dtd"> <html> <head> <meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=ISO-8859-1"> <title>test0</title> </head> <body> <% out.println("Hello JSP"); %> </body> </html>
実行結果
「http://127.0.0.1:8080/dynamic_web_alpha/test0.jsp」にアクセスしてみます。
画像のとおり、「Hello JSP」と表示されました。
解説
冒頭の <%@ page language=”java” の部分で、これがJSPファイルであることを宣言しています。
<% out.println(“Hello JSP”); %>の部分がJavaのコードです。
通常のJavaプログラムならば、 System.out.println と記述する所ですが、JSPで System.out.println (標準出力への書き込み)を使っても画面には表示できません。
代わりに、あらかじめ用意されたoutオブジェクト(JspWriterのインスタンス)に書き込むことで、画面に文字列を出力できます。
サーブレットの例
以下のようなTest1.javaを作成しました。
ソースコード
import java.io.IOException; import javax.servlet.ServletException; import javax.servlet.annotation.WebServlet; import javax.servlet.http.HttpServlet; import javax.servlet.http.HttpServletRequest; import javax.servlet.http.HttpServletResponse; @WebServlet("/Test1") public class Test1 extends HttpServlet { private static final long serialVersionUID = 1L; public Test1() { super(); } protected void doGet(HttpServletRequest request, HttpServletResponse response) throws ServletException, IOException { response.getWriter().append("Hello Servlet"); } protected void doPost(HttpServletRequest request, HttpServletResponse response) throws ServletException, IOException { doGet(request, response); } }
実行結果
「http://127.0.0.1:8080/dynamic_web_alpha/Test1」にアクセスしてみます。
画像のとおり、「Hello Servlet」と表示されました。
解説
doGetメソッドとdoPostメソッドが実装箇所になります。今回はdoGetメソッドを実装し、doPostメソッドはdoGetメソッドを呼び出す形としました。doGetメソッドはHttpServletRequestのインスタンスで要求を受け取ります。
また、HttpServletResponseに応答を書き込みます。
今回は「Hello Servlet」という文字列を応答に書き込みました。
まとめ
JSP、サーブレットは商用Webアプリケーション開発の主流技術の一つです。
特に画面(ユーザインターフェース)を作成に便利なため、Webアプリケーションのプログラミング、Webデザインの分野で頻繁に用いられています。
入門向けJavaの学習サイトもまとめているので、合わせてご覧ください。
JSPとサーブレット、それぞれの実行例になるよ。
こうやって見ると、JSPは書き方がPHPと少し似ている感じがしますね。
サーブレットやJSPの知識はWebアプリケーションを開発する際に必要になってくるので、頭にしっかり入れておこう。
了解です。ありがとうございました!
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