仮想通貨の保管!ウォレットの種類と違い【初心者向けに解説】
ビットコインをはじめとする仮想通貨を保管する上でウォレットの種類やそれぞれの特徴、メリット・デメリットを説明しています。保管の仕方によってハッキングに遭うなど様々あります。コールドウォレットとホットウォレットの違いについても解説しています。
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今回は、ウォレットとウォレットの種類について解説します。
仮想通貨を管理する上でそれぞれのウォレットでどういった特徴、違いを持っているのか理解しておくと良いでしょう。どういった管理の仕方だとハッキングリスクがあるのか知っておくことも重要です。
今回はウォレットの種類について解説するよ。
田島メンター!ウォレットは仮想通貨を保管するものですよね。そんなに色々な種類があるんですか〜?
そうだね。ここでは各ウォレットの紹介と、公式サイトがあるものはそのリンクを用意するのでそれぞれの内容をよく調べてみよう。
分かりました。お願いします!
目次
ウォレットとは
仮想通貨におけるウォレットとは、日常生活で使用するお金が入った財布の意味ではありません。
仮想通貨のウォレットは、2種類の意味があります。
秘密鍵を管理するウォレット
ビットコインに代表される仮想通貨には、公開鍵と秘密鍵が存在します。
公開鍵とは第3者に知られても大丈夫なデータです。これに対して秘密鍵は、所有者であることを証明する唯一の証明書です。
そのため、秘密鍵は自分以外の誰にも知られてはいけません。
その秘密鍵を管理するためのウォレットが存在ます。
公開鍵秘密鍵についての記事も合わせて参考にしてみてください。
アドレス等を管理するウォレット
アドレスとは、ビットコインに代表される仮想通貨において口座番号のような意味があります。
アドレス等を管理するウォレットには次のような機能があり生成管理しています。
アドレス等を管理するウォレットの機能例
送金トランザクションの生成・管理 残高の確認 公開鍵の生成・管理 秘密鍵の生成・管理 バックアップ用のアドレス作成 p2pネットワークへの接続管理
ビットコインアドレスとは
ビットコインアドレスは、1か3から始まる27-34文字の英数字で構成されます。
通常のビットコインアドレスは、先頭の数字が1です。
マルチシグアドレスは、先頭の数字が3です。
マルチシグアドレスとは、マルチシグという複数のカギを利用した、通常のビットコインアドレスに比べるとセキュリティが高いアドレスです。
ビットコインアドレスの生成方法
(公開鍵とアドレスはあくまで例ですので実在のものとは無関係です)
楕円曲線公開鍵暗号(ECC)を利用して生成された公開鍵
0450863AD64A87AE8A2FE83C1AF1A8003CB53F53E486D8511DAD8A04887E5B23522CD470243453A299FA9E00007716103ABC11A1DF38855ED6F2EE187E9C582BA6
↓
2度ハッシュ関数を利用したハッシュ化を行い、チェックサムを行い、BASE58でフォーマットを行うことでビットコインアドレスという物を生成します。
↓
アドレス
1EHNa6Q4Jz2uvNExL000mE43ikXhwF6kZm
コールドウォレットとは
コールドウォレットとは、インターネットに接続されていない状態で管理するウォレットです。
実際にビットコイン等の仮想通貨との取引を行う際には、機器を通じてインターネット接続する必要があります。
また、秘密鍵はオフライン上に保管されています。
ハードウェアウォレットはコールドウォレットと言えます。
また、それ単体でインターネットへの接続ができないペーパーウォレットやブレインウォレットもコールドウォレットに該当します。
ホットウォレットとは
ホットウォレットとはインターネットに接続された状態で使用するウォレットです。
インターネットに常時接続されることが多いことから、必要な時にすぐ利用できるというメリットがあります。
一方で、常時接続されているということでセキュリティリスクも存在します。
パソコンで管理するウォレットやスマートフォンで管理するウォレットをホットウォレットと言います。
また、取引所で管理している状態も、取引所自体が常時インターネットに接続しているためホットウォレットに分類されます。
まずコールドウォレット・ホットウォレットふたつの分類についての説明だね。
普段ある場所がコールドウォレットだとオフライン、ホットウォレットだとオンラインといった感じでしょうか。
次に各ウォレット管理方法の特徴について解説しよう。
ウォレットの種類
パソコンで管理するウォレット
パソコン上で管理することができるウォレットです。
例えばBitcoin Coreというウォレットであれば、Windowsだけでなく、macOSや、Linuxにも対応したアプリケーションがあります。
Linux版に関しては、一般的なLinux用だけでなく、ARM Linux版やUbuntu版も用意されています。
Bitcoin Coreの公式サイトを参考にしてみてください。
ただし、Bitcoin Coreは初回にダウンロードする必要があるデータが100GBをゆうに超えるサイズである点に注意が必要です。
スマートフォンで管理するウォレット
スマートフォン端末にインストールして利用することができるウォレットのアプリです。
Bread Wallet
iPhoneアプリとAndroidアプリが用意されています。
秘密鍵を利用することで、端末を紛失した場合でも他の端末からアクセスすることが出来ます。
Bread Walletはこちらを参考にしてみてください。
Coin.Space
iPhoneアプリ、Androidアプリ、Windows Phoneアプリ等に提供されています。
Coin.Spaceはこちらを参考にしてみてください。
取引所で管理するウォレット
企業が取引所を運営し、その取引所でウォレットを代わりに管理してくれます。企業がまとめて管理してくれるので手間がありません。
そして企業側がセキュリティを万全にしてくれることで、自分自身は取引所にログインするためのIDとパスワードだけ保管していれば大丈夫ということです。
しかし、企業側がセキュリティを重要視していない場合は、安全性を確保することが出来ません。
事例として、2018年1月26日にコインチェック社から580億円相当のNEMが盗難されました。
これは、コインチェック社がマルチシグではなくシングルシグによる単一鍵を使用した取引所管理を行っていたためです。
ペーパーウォレット
ペーパーウォレットとは、パソコンやスマートフォンやハードウェアウォレットが故障した時に備えて、紙媒体にデータを記録しておく方法です。
紙媒体ですので、なくしてしまえば終わりです。
それでも、電子データに比べると紛失・盗難リスクだけでなく、ハッキングされマルウェアによりデータが無くなることなどのリスクを考えると非常に安全です。
ペーパーウォレットには秘密鍵とアドレスが記載されています。
bitaddress.orgというサイト等で発行することが可能です。
ブレインウォレット
人間の頭のなかで記憶している状態のウォレットです。
ペーパーウォレット等の内容を自分で暗記することで実現できます。
ハードウェアウォレット
ビットコイン等の仮想通貨を管理する専用の端末です。
通常はオフライン状態ですので、オンライン状態のウォレットに比べるとウィルス対策等の面からも安全です。
例えば、TREZORというハードウェアウォレットがあります。
TREZORはTREZOR自体を紛失してもアクセスすることができる様に管理されており、決定的ウォレットとも呼ばれます。
端末を紛失や盗難にあった場合、ニモニックコードと呼ばれる12-24個のランダムなキーワードを新しい端末に入力することで、以前の状態の端末と同様に利用できます。
ただし、ランダムに生成されたキーワード自体はペーパーウォレット同様に厳重に管理する必要があります。
キーワードという側面もあり、ペーパーウォレットよりも分かりやすい為、ペーパーウォレットよりも漏洩には注意が必要になります。
今回は、ウォレットとウォレットの種類について解説しました。
ウォレット自体いくつも種類があり、管理の仕方によってメリット・デメリットも分かれます。毎年のようにハッキングされた事件が発生しているので、自分で仮想通貨を持っている人は管理方法をよく理解しておくことが大事でしょう。
ウォレットそれぞれの概要と使い方を見てみたよ。
かなり色々な管理の仕組みがありますね。実際は何を選んだらいいんでしょうか?
取り扱う金額や期間、目的などに応じて合ったものを見つけてみよう。もちろんセキュリティの面も考えて選ぶといいね。
なるほど、了解です。ありがとうございました!
この記事を監修してくれた方
中本賢吾(なかもとけんご) 開発実績:PHPフレームワークを利用した会員制SNS・ネットショップ構築、AWSや専用サーバー下でLinuxを使用したセキュアな環境構築、人工知能を利用したシステム開発、店舗検索スマホアプリ開発など。 その他にも地域の職業プログラマー育成活動を行い、2018年には小学生がUnityで開発したオリジナルAndroidアプリをGooglePlayでリリース。ゲームで遊ぶより作ろうぜ!を合言葉に、小学生でも起業できる技術力を育成可能で有ることを証明し続けている。 |