有名なトークンやメリットを紹介!Ethereumの「ERC20」とは
初心者向けにERC20とは何か詳しく解説しています。Ethereumのブロックチェーン技術を使ってトークンを発行したい場合に役立ちます。トークンの種類やウォレットの種類も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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今回は、ERC20について解説します。
イーサリアムベースのトークンで、すでに動いているサービスでも使われています。ERC20を使うメリットや代表的なトークンを紹介しています。
どういったプロジェクトに活用されているのか知っておくと今後の可能性についても知れるでしょう。
今回はERC20について説明しよう。
田島メンター!ERC20というのは何ですか~?
これはトークンの基準に関係するものなんだ。ERC20の前に、まずはトークンについての話をしようか。
お願いします!
ERC20とは
ERC20とは、(Ethereum Request for Comments: Token Standard #20)の略で、イーサリアム(Ethereum)が定義するトークンの名称です。
トークン(Token)とは、ブロックチェーン上の資産やユーティリティの総称です。2018年初頭現在発行されているトークンは、価値はあるが法律的な担保がないという意味で、トレーディングカードのような位置づけになります。
イーサリアム(Ethereum)とは、ビットコインに代表するブロックチェーンを利用した仮想通貨の1つです。
Ethereumは、ビットコインと異なり、スマートコントラクトという契約機能に代表される追加機能を実装することができることで、ビットコインと異なる人気を集めています。
トークンは特定のサービスを利用する場合に使用できるものと、有価証券のような使用方法があります。
トークンの種類
トークンは仮想通貨とは異なります。
トークンの価値としてはユーティリティートークン(Utility Token)とセキュリティートークン(Security Token)の2種類あります。
ユーティリティートークン(Utility Token)
投票機能などのユーティリティー(Utility)を持っています。
ユーティリティートークンは、所有者が異なるサービスを購入する際にも利用できます。
セキュリティートークン(Security Token)
セキュリティトークン(Security Token)は、投資目的に利用しやすいタイプのトークンです。
また、法人、資本、利益、債権者、債務者の情報にアクセスする権利も付属している場合があります。
その意味でも、トークンの所有者が投資利益を得るための有価証券のような意味合いを持っています。
トークンが統一されるメリット
トークンがERC20に統一される前、仮想通貨毎にトークンが存在しました。
つまり、トークンを取得する際と、トークンを使用する際に、トークン毎のプロトコルに応じたプログラムを実装する必要がありました。プロトコルとは、プログラムを動作させる上での規約のことです。
例えば、ICOでトークンを取得して、取引所で交換して、ウォレットで確認するという作業を行う場合、ICO、取引所、ウォレットの3箇所でトークンの数だけ別のプログラムを必要としました。
その後、トークンがERC20に統一されたことで、ICOする場合も、取引所で取引する場合も、ウォレットを利用する場合も統一されたプロトコルでプログラムを実装することで済むというメリットが生まれたのです。
トークンがERC20に統一されたことは、多くのエンジニアがERC20というプロトコルで発生する問題点を探し出し、いち早く修正できるので、セキュリティー上もより安全になります。
ERC20に関する概要だよ。
イーサリアムによって定義された、トークンの規格のひとつなんですね。
次にERC20に対応したウォレットを挙げてみよう。
ERC20に対応するウォレットの種類
MyEtherWallet(マイイーサウォレット)
Myetherwalletはディスクトップのブラウザとペーパーウォレットで利用することが出来るイーサリアムトークン用のウォレットです。
お財布の作り方というリンクをクリックすることでMyetherwalletのウォレット作成方法の説明を読むことができます。
ただし、説明自体は現段階では英語で表示されているので簡単にウォレット作成方法を解説します。
1.パスワード設定
パスワードはMyetherwalletでは9文字以上のパスワードを推奨しています。
2.Keystoreファイルと秘密鍵の保存
パスワード入力後にKeystoreファイルと秘密鍵の保存を行います。
ファイルはダウンロードします。
秘密鍵は印刷するか手書きで書き取るか、頭の中に暗記します。
このKeystoreファイルと秘密鍵は資産管理上最重要情報ですので厳重に保管して下さい。
Metamask(メタマスク)
MetamaskはChromeの拡張機能追加をすることで利用可能なウォレットです。
Chromeのダウンロードはこちらからできます。
まず、拡張機能を追加する場合は、Metamaskの拡張機能ページに進んで頂きます。
次に、Chromeに追加のボタンをクリックしていただくことで機能追加することが可能です。
拡張機能を追加後、Chromeの右上のMetamaskマークをクリックすることでMetamaskを起動することができます。
HB Wallet(HBウォレット)
HB Walletは、これまでのウォレット異なり日本のbacoor株式会社が提供しており、スマートフォンに対応しているEthereumウォレットです。
また、HB WalletはEthereumトークンのウォレットでもあります。
ダウンロード
AndroidでもiPhoneでもHB Walletは提供されています。
使用言語を選択します
新しいウォレットを作成することができます
すでに取引されているERC20トークン
ERC20トークンはオープンソースで公開されているEthereumのgithubページで公式情報が記載されています。
現在ERC20を採用しているトークンは全世界で2000以上存在します。
今回は、coinmarketcapというサービスに表示されている、人気のある代表的なERC20トークンを紹介します。
EOS
EOSは組織運営や企業内でスマートコントラクトを利用することで、効率的で透明性の高い運用を行うことができます。このサービスでは、EOSという通貨単位を使用します。
EOSのトークン自体は現在資金調達のために発行されており、EOSのトークン自身でなにか行うことはできません。
TRON
TRONは、シンガポールのTRON財団が開発した仮想通貨でTRXという通貨単位を使用します。
クリエイターを応援するという目的のために発行されています。
今後、クリエーターが発信するサービスや製品に対しトークンを利用することが予想されます。
VeChain
VeChainは、中国のBitSEという企業が開発しているプラットフォームで、VENという通貨単位を使用します。
中国Louis Vuittonの元CIO(最高情報責任者:chief information officer)である陸揚氏がCOO(最高執行責任者:Chief Operating Officer)として経営に参画しています。
サービス内容としては、商品が本物か偽物なのかを判定するプラットフォームです。Louis Vuittonは中国でも偽物が多く、その経験からVeChainが生まれたようです。
ICON
ICONは、韓国で開発された分散プラットフォームで、ICXという通貨単位を使用します。
ICONネットワークは、金融、保険、医療、大学などの分野で利用されています。
OmiseGO
OmiseGOは、決済システムの分散プラットフォームで、OMGという通貨単位を使用します。
東南アジアにはクレジットカードも銀行口座も持っていない人が多くいます。そのため基本は法定通貨を使うことがメインになりますが、OmiseGOを使うことで法定通貨と仮想通貨を自由に横断し、決済することができます。
複数の決済ネットワークを使った取引を迅速にかつ低コストで行えるのが特徴です。
以上、ERC20について解説しました。
トークンはこれから先様々な事業者が発行するものになるはずです。すでに動いているプロジェクトを知ることでブロックチェーンがどう活用できるのか理解できるでしょう。
最後に、実際のERC20トークンの例もいくつか見てみたよ。
ERC20はICOでよく使われているのが分かりますね。
各プロジェクトへのリンクも貼っておいたので、実際に見てどういうものなのか確かめてみるのもいいね。
そうですね、観察してみます。ありがとうございました!
この記事を監修してくれた方
中本賢吾(なかもとけんご) 開発実績:PHPフレームワークを利用した会員制SNS・ネットショップ構築、AWSや専用サーバー下でLinuxを使用したセキュアな環境構築、人工知能を利用したシステム開発、店舗検索スマホアプリ開発など。 その他にも地域の職業プログラマー育成活動を行い、2018年には小学生がUnityで開発したオリジナルAndroidアプリをGooglePlayでリリース。ゲームで遊ぶより作ろうぜ!を合言葉に、小学生でも起業できる技術力を育成可能で有ることを証明し続けている。 |