Pythonで関数の戻り値について現役エンジニアが解説【初心者向け】

Pythonで関数の戻り値について解説します。

そもそもPythonについてよく分からないという方は、Pythonとは何なのか解説した記事を読むとさらに理解が深まります。

 

なお本記事は、TechAcademyのオンラインブートキャンプPython講座の内容をもとに紹介しています。

 

 

戻り値とは

戻り値（もどりち）とは「関数」から返される値のことです。プログラミングで使う関数は、数学の関数と同じようなものです。数学の関数とは、例えば以下のような感じですね。

y = f(x)

上記を例にすると、関数名、引数（ひきすう）、戻り値はそれぞれ以下のようになります。

• 関数名：f
• 引数：x
• 戻り値：f(x)から返される値。yに代入される

プログラムで使う関数も基本的な考え方は同じですが、数値だけでなく文字列や論理型など「いろんな種類の値」をやりとりできます。

例えば以下は、Pythonに最初から用意されている組み込み関数の1つである「len」関数を使った例です。

i = len('hello!')

この場合、関数名、引数、戻り値はそれぞれ以下のようになります。

• 関数名：len
• 引数：’hello!’
• 戻り値：len(‘hello!’)から返される値。iに代入される。この場合は 6 となる。

引数が文字列であることに注目しましょう。もちろん戻り値も数値だけでなく、いろんな種類の値にすることが可能です。

 

戻り値の使い方

戻り値は、関数で何らかの処理を行った結果を得たい場合に使用します。戻り値は変数で受け取ります。戻り値や引数は省略可能です。

戻り値を受け取る変数 = 関数(引数1, 引数2, 引数3, ...)

 

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関数を作成し、戻り値を出力する

それでは実際に関数を作成して戻り値を出力する方法を確認しましょう。

今回のサンプルプログラムでは、与えられた引数に対する円の面積を返す関数を作成します。Pythonで関数を定義するには「def」キーワードを使用します。

# 与えられた半径に対する円の面積を返す
def circle_info(radius):
  area = radius * radius * 3.14
  return area

# 関数を呼び出す
m = circle_info(5)
# 結果(戻り値)を出力する
print(m)

実行結果は以下のようになります。

78.5

 

複数の戻り値を返す方法

それでは、上記の関数を「円の面積と円周」の2つの戻り値を返すようにするにはどうしたら良いでしょうか。このような場合には、戻り値をタプルで返し、受け取り側は複数の変数を用意する方法が一般的です。

# 与えられた半径に対する円の面積を返す
def circle_info(radius):
  area = radius * radius * 3.14
  circum = (radius *2) * 3.14
  # タプルで返す
  return area, circum

# タプルを変数展開して受け取る
m, c = circle_info(5)

print('面積:', m, ', 円周:', c)

実行結果は以下のようになります。

面積: 78.5 , 円周: 31.400000000000002

 

監修してくれたメンター

太田和樹（おおたかずき） ITベンチャー企業のPM兼エンジニア 普段は主に、Web系アプリケーション開発のプロジェクトマネージャーとプログラミング講師を行っている。守備範囲はフロントエンド、モバイル、サーバサイド、データサイエンティストと幅広い。その幅広い知見を生かして、複数の領域を組み合わせた新しい提案をするのが得意。 開発実績：画像認識技術を活用した駐車場混雑状況把握（実証実験）、音声認識を活用したヘルプデスク支援システム、Pepperを遠隔操作するアプリの開発、大規模基幹系システムの開発・導入マネジメント。 地方在住。仕事のほとんどをリモートオフィスで行う。通勤で消耗する代わりに趣味のDIYや家庭菜園、家族との時間を楽しんでいる。

 

 

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