Pythonのgoto文の使い方を現役エンジニアが解説【初心者向け】
初心者向けにPythonのgoto文の使い方について現役エンジニアが解説しています。goto文はFORTRANのコードで多用された処理方法で、プログラムのソースコードの好きな場所に移動することが出来ます。しかしソースコードが読みにくくなるために使用するのは控えたほうが良いです。
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監修してくれたメンター
nakamoto
Pythonのgoto文の使い方について、テックアカデミーのメンター(現役エンジニア)が実際のコードを使用して初心者向けに解説します。
Pythonのgoto文を利用すると、自分の好きな位置に処理を進められます。
実務でも、非常に古いPythonのプログラムを修正する時にgoto文を利用するため、ぜひ学習してみてください。
目次
そもそもPythonについてよく分からないという方は、Pythonとは何なのか解説した記事を読むとさらに理解が深まります。
今回は、Pythonに関する内容だね!
どういう内容でしょうか?
Pythonのgoto文の使い方について詳しく説明していくね!
お願いします!
goto文とは
goto文は、古くはFORTRANのコードで多用された手法です。
goto文は、数学や物理学の分野でシミュレーションを作成した方にはなじみ深い手法であるといえます。
Web系のプログラミング言語を用いている方々には、なじみが薄い言語かもしれません。
Web系のプログラミングが日本で一般的になったのが2000年前後であるため、goto文はそれ以前のPythonプログラミングで利用されることが多かったです。
goto文が使用された理由は、「どこでもドア」のように行きたいところに飛べる便利なコードだからです。
goto文はコードを1人で書いていく分には、非常に使い勝手の良い構文です。
goto文を他の人が見た場合には、コードが様々なところに飛んでいくため、非常に読みにくくなってしまうといった欠点があります。
現在では、多くの言語でgoto文が標準仕様に存在しません。
Pythonのgoto文について
Pythonでgoto文を使うことができる理由は、エイプリルフールの冗談として、goto文のモジュールが開発されたためです。
詳しくは、goto for Pythonで次のように紹介されている点に注意する必要があります。
「goto」モジュールは、2004年4月1日に公開されたエイプリルフールのジョークでした。はい、機能しますが、それでもジョークです。実際のコードでは使用しないでください。
現在、Pythonでgoto文を利用する場合、過去に制作したgoto文を利用したコードを、どのようにして更新していくかの参考程度にすると良いでしょう。
また、gotoモジュールはPython2でのみ動作します。
goto文を利用する方法
goto文を利用するためには、gotoモジュールをインストールする必要があります。
ターミナルなどでpipを利用して、次のようにgotoモジュールを用意します。
pip install goto
gotoモジュールはPythonプログラムの先頭で、次のようにインポートします。
from goto import goto
実際に書いてみよう
ここでは、実際にgoto文を書いてみます。
ただし、goto文はジョークモジュールのため、実行環境を整えても正しく動作しない場合があります。
Pythonのgoto文の使い方例1
サンプルコード
from goto import goto, label
for i in range(3, 10):
for j in range(1, 20):
print (i, j)
if j == 3:
goto .end
label .end
print ("Done")
解説
このコードではj==3になるとループ文を抜けて、Doneと表示されプログラムが終了します。
Pythonのgoto文の使い方例1を一般的なコードに書き換えた例
サンプルコード
for i in range(3, 10):
for j in range(1, 10):
print(i, j)
if j == 3:
break
if j == 3:
break
print("Done")
解説
gotoを使わない場合、for文を二重化することで実現できます。
Pythonのgoto文の使い方例2
サンプルコード
from goto import goto, label
label .start
for i in range(1, 4):
if i == 2:
try:
output = typeName
label .end
except NameError:
print ("Please define the typeName! Start again.")
typeName = "PRIUS"
goto .start
label .end
print (output)
解説
サンプルコードでは、i==2の時に条件分岐をし、try/except方法を用いて変数outputにtypeNameを設定してループを抜けます。
NameErrorが発生した場合には”Please define the typeName! Start again.”を表示、typeNameを設定、iを0として再度ループを走らせます。
goto文を利用する際の注意点
現在、goto文の使用は推奨されていません。
そのため、Pythonなどの比較的新しい言語ではcontinue/breakを使った書き方が一般的です。
「どこでもドア」を使わないようにするというのは、プログラミングを専門としない方々にはなかなかの苦痛かもしれません。
しかし、今後様々な人が共通の認識を持てるシンプルなコードを書くためにも、使わないで書けるようになっていく必要があります。
古いコードをアップデートしようとした際には、多用されている可能性があるので、goto文の特性を理解した上で、continue/breakを使った書き方などに置き換えると良いです。
まとめ
goto文は、現在利用されない文法でした。
ジョークモジュールとしてgotoモジュールが存在しますが、実務で利用してはいけません。
gotoモジュールはpipでインストールするため、pipを使ってPythonのモジュールをインストールする方法も参考にしてみてください。
古いプログラムにはgoto文を利用した実装がたくさん存在するため、continue/breakを使った書き方でリファクタリング(コードを見直し修正すること)していくと良いです。
内容が分かりやすくて良かったです!
ゆかりちゃんも分からないことがあったら質問してね!
分かりました。ありがとうございます!
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これで解説は終了です、お疲れさまでした。
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