PythonでUDP通信をする方法を現役エンジニアが解説【初心者向け】
初心者向けにPythonでUDP通信をする方法について現役エンジニアが解説しています。UDPとは、インターネットで使用されている通信プロトコルの一種で、リアルタイムな通信で使われます。UDP通信をする方法としてSocketモジュールを使う方法を解説します。送信側・受信側を説明します。
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PythonでUDP通信をする方法について、TechAcademyのメンター(現役エンジニア)が実際のコードを使用して、初心者向けに解説します。
Pythonについてそもそもよく分からないという方は、Pythonとは何なのか解説した記事を読むとさらに理解が深まります。
なお本記事は、TechAcademyのオンラインブートキャンプ、Python講座の内容をもとに紹介しています。
今回は、Pythonに関する内容だね!
どういう内容でしょうか?
PythonでUDP通信をする方法について詳しく説明していくね!
お願いします!
目次
UDPとは
UDP[User Datagram Protocol]とは、インターネットで標準的に使用されている通信プロトコルの一種です。
アプリケーション同士で最小限の仕組みでデータの送受信が可能なシンプルなプロトコルですが、送受信されるデータの誤りや順序の違い等を検出する機能がないため、ほかのプロトコルに比べ信頼性には劣ります。
今回紹介するUDP通信は、主にリアルタイムな通信が必要とされる場面等で使用されます。
UDP通信をする方法
PythonでUDP通信をするには、Socketモジュールを使用して送信側と受信側のプログラムをそれぞれ作成していきます。
UDP通信機能をするためには送信側と受信側でそれぞれ以下のような設定を行います。
[共通機能]
- 送信元 / 受信先のIPアドレス、ポート番号を設定してアドレスを作成
- 通信に使用するソケットの作成(Socketモジュール)
[送信側機能]
- 受信先アドレスへソケットを使用してデータ送信機能
[受信側機能]
- 常に受信待機状態にする機能
- データ受信を検知し受信データを取得し表示する機能
以上の内容をどのようにプログラミングするかは、複雑な内容になるのでサンプルコードを参考に全体のイメージをつかんで下さい。
実際に書いてみよう
それでは、PythonでUDP通信をする方法についてサンプルコードを参考に実際に書いてみましょう。
送信側プログラムの作成
サンプルコード
from socket import ################## # 送信側プログラム# ################## # 送信側アドレスの設定 # 送信側IP SrcIP = "127.0.0.1" # 送信側ポート番号 SrcPort = 11111 # 送信側アドレスをtupleに格納 SrcAddr = (SrcIP,SrcPort) # 受信側アドレスの設定 # 受信側IP DstIP = "127.0.0.5" # 受信側ポート番号 DstPort = 22222 # 受信側アドレスをtupleに格納 DstAddr = (DstIP,DstPort) # ソケット作成 udpClntSock = socket(AF_INET, SOCK_DGRAM) # 送信側アドレスでソケットを設定 udpClntSock.bind(SrcAddr) # 送信データの作成 data = "send data" # バイナリに変換 data = data.encode('utf-8') # 受信側アドレスに送信 udpClntSock.sendto(data,DstAddr)
受信側プログラムの作成
サンプルコード
from socket import * ################## # 受信側プログラム# ################## # 受信側アドレスの設定 # 受信側IP SrcIP = "127.0.0.5" # 受信側ポート番号 SrcPort = 22222 # 受信側アドレスをtupleに格納 SrcAddr = (SrcIP, SrcPort) # バッファサイズ指定 BUFSIZE = 1024 # ソケット作成 udpServSock = socket(AF_INET, SOCK_DGRAM) # 受信側アドレスでソケットを設定 udpServSock.bind(SrcAddr) # While文を使用して常に受信待ちのループを実行 while True: # ソケットにデータを受信した場合の処理 # 受信データを変数に設定 data, addr = udpServSock.recvfrom(BUFSIZE) # 受信データと送信アドレスを出力 print(data.decode(), addr)
実行方法
上記サンプルコードをそれぞれ任意の場所に用意します。
送信用と受信用にコマンドプロンプトを2つ起動します。
最初に受信用として起動したコマンドプロンプトで受信側プログラムを実行します。次に、もう一つのコマンドプロンプトで送信側プログラムを実行します。
問題なくプログラムが実行できた場合は、送信側プログラムを実行したタイミングで受信側のコマンドプロンプト上に受信データが表示されている事が確認できます。
※プログラムの実行について※
WindowsPCの場合はコマンドプロンプトを使用。MacOSの場合はターミナルを使用
実行結果
[受信側プログラム実行ターミナル画面]
send data ('127.0.0.1', 11111)
まとめ
今回は、PythonでUDP通信をする方法について紹介しました。
通信のプログラムは、専門的な知識が必要になってくるので、どうしても最初は難しく考えてしまうかもしれませんが、今回のサンプルコードを実際に実行してみて、データの送受信のイメージをつかんでみて下さい。
また、今回紹介したような通信の仕組みは様々なアプリやシステム等で使用されてます。例えば今回のサンプルコードを流用して疑似的なメッセンジャーアプリのようなものも作成可能ですので、興味のある方は今回のサンプルコードを参考に挑戦してみて下さい。
監修してくれたメンター
菅繕久(すがよしひこ)
現在はフリーランスのエンジニアをしていてプログラミング歴は8年目になります。 普段は Python、FileMaker等を使って様々な業務で活用できるIoTプロダクトRPAツールを作成しています。 |
内容分かりやすくて良かったです!
ゆかりちゃんも分からないことがあったら質問してね!
分かりました。ありがとうございます!
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