Pythonで非同期処理を実装する方法を現役エンジニアが解説【初心者向け】

Pythonで非同期処理を実装する方法について、TechAcademyのメンター（現役エンジニア）が実際のコードを使用して初心者向けに解説します。

 

そもそもPythonについてよく分からないという方は、Pythonとは何なのか解説した記事を読むとさらに理解が深まります。

 

なお本記事は、TechAcademyのオンラインブートキャンプPython講座の内容をもとに紹介しています。

 

目次

• 非同期処理とは
• 非同期処理を実装する方法
• 実際に実装してみよう
• まとめ

 

非同期処理とは

非同期処理とは、ある処理Aの途中で、Aを止めずに、別の処理Bを並行することです。
対義語は同期処理です。

例えば、スマートフォンで音楽をダウンロードするケースを考えます。
ダウンロードボタンを押すと、ダウンロード完了まで他の処理を行えない(ブロックする)のが同期処理です。
ダウンロード中もブラウザやチャットなど別の処理を継続できるのが非同期処理です。

 

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非同期処理を実装する方法

・Pythonで非同期処理を実装するにはasyncioモジュールを用います。
・asyncioのasync/await構文を用いることで、分散処理やネットワーク入出力といった非同期処理を実装しやすくなります。
・非同期処理の対象とする箇所でasyncキーワードを記述します。
・非同期処理の終了を待機する箇所でawaitキーワードを記述します。

 

実際に実装してみよう

asyncioには複数の用途がありますが、ここではコマンドの並列実行に用います。

ソースコード

import asyncio

async def run(cmd):
        proc = await asyncio.create_subprocess_shell(
            cmd,
            stdout=asyncio.subprocess.PIPE,
            stderr=asyncio.subprocess.PIPE)
        stdout, stderr = await proc.communicate()
        print(f'[{cmd!r} exited with {proc.returncode}]')
        if stdout:
            print(f'[stdout]n{stdout.decode()}')
        if stderr:
            print(f'[stderr]n{stderr.decode()}')

async def main():
    await asyncio.gather(
        run('ls /var/log'),
        run('sleep 1; echo "hello"'))

asyncio.run(main())

実行結果

['ls /var/log' exited with 0]
[stdout]
audit
btmp
journal
lastlog
old
pacman.log
private
tallylog
wtmp

['sleep 1; echo "hello"' exited with 0]
[stdout]
hello

解説

・lsコマンドと、sleep/echoコマンドを並行に実行するコードです。
・async main関数内でgather関数により、両処理の完了を待ち合わせます。
・async run関数内ではcreate_subprocess_shell関数により、OSコマンドを非同期に呼び出します。

 

まとめ

この記事ではasyncioモジュールにより非同期処理を実装する方法を紹介しました。

非同期処理は速度や利便性の向上に有効ですが、同期処理と比べて、プログラムが複雑になったり、問題の発生した時に処理の流れを追いづらくなったりしがちです。
asyncioモジュールを用いると、非同期処理の恩恵を受けつつ、ソースコードの可読性や保守性を向上できます。

 

監修してくれたメンター

橋本紘希（はしもとひろき） システムインテグレータ企業勤務のシステムエンジニア。 開発実績: Javaプログラムを用いた業務用Webアプリケーションや、基幹システム用バッチアプリケーションなどの設計構築試験。

 

 

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