Javaのリフレクションの使い方を現役エンジニアが解説【初心者向け】
初心者向けにJavaのリフレクションの使い方について解説しています。リフレクションを使うことでクラスを動的に生成、実行することができます。リフレクションの利用例、使用時の注意点を覚えましょう。
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Javaのリフレクションの使い方について、TechAcademyのメンター(現役エンジニア)が実際のコードを使用して初心者向けに解説します。
そもそもJavaについてよく分からないという方は、Javaとは何なのか解説した記事を読むとさらに理解が深まります。
なお本記事は、TechAcademyのオンラインブートキャンプJava講座の内容をもとに作成しています。
今回は、Javaに関する内容だね!
どういう内容でしょうか?
リフレクションの使い方について詳しく説明していくね!
お願いします!
目次
リフレクションとは
リフレクションとは、クラス名・メソッド名・変数名などを文字列として指定して動的に実行するための仕組みです。
これを用いることで、例えば private
なメソッドや変数であってもアクセスして使うことが可能となります。
リフレクションの使い方
利用用途が多いため一例になりますが、例えば private
な変数にアクセスし、値を取得する場合の書き方は以下のようになります。
Field field = アクセスしたいクラス.class.getDeclaredField("アクセスしたい変数名"); // たとえ不可視であってもアクセス可能にする field.setAccessible(true); // 値の取得 Hoge data = field.get(アクセスしたいクラスのインスタンス);
field.setAccessible(true);
というのがポイントです。
上記を指定することで private
なものも public
のようにアクセスすることができるようになります。
これはアクセスしたい対象がメソッドであっても同様です。
リフレクションの注意点
リフレクションは便利ではありますが、本来 private
にしているものに強制的にアクセスするのは、設計上決してよくありません。
外部から参照する必要があるのであれば、 public
などにするべきですし、それができないならアクセスしなくて済むようにすべきです。
また、変数やメソッドに文字列でアクセスできるようになる…というのも利点です。しかし、該当の名称が変更(リファクタリング)されたときに正しく名称変更が行われずバグが発生するケースがあるので注意しましょう。
さらに、普通にアクセスする場合とリフレクションを使ってアクセスする場合では、後者の方はどうしても性能が落ちます。
デメリットについて色々と述べましたが、では具体的にどういうときに使うのか? たとえば JUnit
を用いたテストクラスを作成する場合などに活躍します。
テストの際は「どうしても private
なメソッド・変数にアクセスしなければならない…」という状況はしばしばあります。
またテストコードに関してはそこまで性能を意識する必要もありませんし、バグが…となっても深刻な問題にはならないでしょう。
実際に書いてみよう
実際に private
なメソッドにアクセスして実行し、private
な変数にアクセスして内容の取得と書き換えを行うサンプルとなります。
public class Target { private String hoge = "本当は不可視"; private String foo() { return "bar"; } } public class Test { public static void main(String[] args) { try { Target target = new Target(); /* --- private なメソッドにアクセス --- */ // アクセスしたいクラスと、メソッド名を指定 Method method = target.getClass().getDeclaredMethod("foo"); // 不可視のメソッドを見えるように method.setAccessible(true); // invoke() で実行 System.out.println("foo() = " + method.invoke(target)); /* --- private な変数にアクセス --- */ // クラスの指定は上記のようにインスタンスからgetClass()してもいいし、クラス名を指定して.classを使ってもOK Field field = Target.class.getDeclaredField("hoge"); field.setAccessible(true); // 取得 System.out.println("hoge = " + field.get(target)); // セット field.set(target, "値を上書き"); // セットしたデータを取得 System.out.println("hoge = " + field.get(target)); } catch (NoSuchMethodException | NoSuchFieldException | IllegalAccessException | InvocationTargetException e) { e.printStackTrace(); } } }
上記のコードを実行すると、以下の結果がコンソールに出力されます。
foo() = bar hoge = 本当は不可視 hoge = 値を上書き
まとめ
リフレクションは非常に便利な反面、様々なデメリットから使いどころがとても限られてくるものです。
ですが、必要に応じて使いこなすことが出来れば、テストクラスなどを作る際にとても役立つでしょう。
ぜひ使い方を覚えて、要所要所で使ってみてくださいね。
監修してくれたメンター
メンター室井
某社にてAndroid / iOS開発を中心に、WEBアプリケーション開発もサーバサイド・クライアントサイド問わず担当しているエンジニア。副業でイラストレーター業もしています。 最愛の言語はJavaScript。使える言語はJava, Kotlin, ObjC, Swift, C# ほか。Tech AcademyではJavaとAndroidコースを担当しています。 |
内容分かりやすくて良かったです!
ゆかりちゃんも分からないことがあったら質問してね!
分かりました。ありがとうございます!
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