【事例付き】面接で「苦労したこと」を聞かれたときの回答方法
転職の面接でよく聞かれる質問のひとつに「苦労したこと」があります。伝え方によっては愚痴や不満と感じる採用担当者もいるので、何をどう伝えれば良いのか知っておきましょう。職種別に回答例も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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転職面接において「苦労したこと」はよく聞かれる質問です。面接官が応募者のこれまでを知り、実際に働いた際のイメージを膨らませるための質問です。
そのため、良い回答をすればアピールするチャンスになります。そうするためには質問の意図を理解し、適切な回答をしなければなりません。
そこで、ここではこの質問で何を判断しているのかや、例文、NG回答を紹介します。
この質問で何が判断されるか?
転職面接で「苦労したことは?」と聞かれたとき、面接官は次のような意図をもって質問をしています。
- どのようなことに対して苦労(困難)と感じるのか
- どのような課題ととらえたか
- その苦労をどのような方法でに乗り越えたか
つまり、応募者が負担を感じることの性質や問題の把握力、解決力などを測っているのです。
企業は「自主的に解決できる人材」を求めています。面接官は苦労話を通して応募者の考え方や解決へのアプローチ方法を知り、「この人は工夫できる」、「課題に立ち向い、解決できる人材」というように、自社に貢献していける人材か判断します。
したがって、この質問に関する回答も、ただ「○○があって苦労しました」では意図を理解していないと判断され低評価を受け、採用を勝ち取ることはできません。
適切な回答のポイントは次のようになります。
- 単なる苦労話にしない
- 起こった課題や問題とそれによって生じた苦労
- どのような方法で乗り越えたか、乗り越えた結果
- その経験から何を学び、今度どのように活かしていけるか
これらをエピソードにのせて「具体的に」述べ、説得力のある回答にする必要があります。
また、回答内容は「企業が求める人材」に合っているかも押さえておきたいポイントです。企業が営業に対して逃げ出さない人材を求めていたら、逃げ出さずに立ち向かい解決したエピソードを話せば「自主的に困難を解決していける人材」として判断してもらえます。
回答の例:技術職編(エンジニア・デザイナー)
例:エンジニア
(苦労)
私が苦労したのは初めて一人でプロジェクトを任された時です。それまではいくつかのプロジェクトにアシスタントとして携わることはありましたので、進行・作業について把握しているつもりでした。しかし、いざ自分ひとりで全てを担当して進めるとなると、思い通りに進めることができず、進捗に影響を及ぼしてしまい非常に苦労しました。
(原因)
当時の実力不足もありますが、自分のプロジェクトとして任された初めての仕事ということで、最後まで一人でやり遂げるという意思が強すぎ、抱え込んでしまったことが原因です。
(解決方法、結果)
困り果てている時にふと周りを見てみると、プロジェクトの担当に関係なく、他のプロジェクトに対して色々な人たちが意見交換をしているのに気がつきました。そこで、私も同僚や上司に相談して多くのアドバイスをもらい、進行を調整してそれ以降はスムーズに進めることができました。
(得た教訓、今後への活用)
それからは仕事に対してスタンドプレーにならないように、困ったときはお互いに助け合い、良い意見を吸収してスムーズな進行とより良いものを作るように心がけています。御社で採用されましたら、円滑なコミュニケーションで助け合い、効率的で生産的な作業で貢献していきたく考えております。
回答の例:ビジネス職編(営業・マーケティング)
例:営業マネージャー
(苦労)
営業マネージャーとして働くなかで、「目標へのモチベーションコントロール」と「画一的なアドバイスでは成果が望めない」ことに苦労しました。
(原因)
営業目標は昨年の実績データをもとに決定しておりましたので、部下に対して目標を達成することでどのようなメリットがあるかをしっかりと説明しなければ、意欲をわかせることができず、自主的・意欲的に行動させることが難しい状況でした。
そして、行動させるために、ただ「営業数を増やす」、「提案数を増やす」というアドバイスでは個々の能力を活かせず、成果を出せずに悩みました。
(解決方法)
そこで、営業数を増やすのが得意な部下には新規開拓のアドバイスを、既存顧客の売上げアップが得意な部下には提案の仕方のアドバイスなど、長所を活かしたアドバイスを個人別に行いました。
(結果、得た教訓、今後への活用)
結果、2年目で改善に至り、個々への的確なアドバイスの重要性とそれによってモチベーション維持が期待できることを学びました。御社でもこの経験を活かしてマネジメントを行い、高いモチベーションで目標達成に貢献していきたいと考えております。
避けた方がよい回答の例
回答をするにあたり、避けるべき回答もありますので注意しておいてください。
基本的なことで生じた苦労
例えばプログラミングにおいて、「基本的な作業が理解できず、苦労した」などのエピソードは克服までの過程を聞かされても魅力にはなりません。それは、基本的なことができるということは素養をアピールするポイントであるため、苦労した話としてあげてしまうと逆に「それが苦労したこと?」と判断されかねません。「作業工程の○○において他社との連携がうまくいかず、△△に苦労した」などの応用的な業務に絡む内容にするようにしましょう。
主観的で伝わりにくいもの
例えば「上司が一部をひいきするので苦労しました」や「営業ノルマが高く、残業も多いので苦労した」など、ノルマや上司のパワハラなどは主観的な内容となって伝わり難いです。
「愚痴」ととらえられる可能性が高いので、避けるようにしてください。
能力と関係の無い回答(親族の不幸など)
当然のことですが、質問されているのは仕事に対しての苦労と解決についてです。
自身の能力と関係の無い苦労に対しての克服の話には、企業側がメリットになる情報はありません。能力不足によって発生してしまった苦労と解決について回答をするようにしましょう。
まとめ
「苦労したこと」に対する回答は苦労とその原因、解決へのアプローチ、結果と今後への活用を具体的に回答しなければなりません。
そうすることで、企業側はあなたの考え方や人物像、能力を判断することができ、それがアピールとなります。企業が求める「自主的に困難を解決できる人材」として適切な回答を準備しましょう。
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