icon
icon

トラブルを避けるために正しい手順を覚えよう:契約締結までの具体的な流れとポイント

初めての契約締結。どんな流れで何をすべきか覚えながら進めるものですが、一度や二度では覚えきれないもの。ゆっくり振り返る参考情報が欲しいと考える人も多いでしょう。そんな契約締結の基本的な流れを紹介。自社の流れと照らし合わせ参考にしてください。

テックアカデミーマガジンは受講者数No.1のプログラミングスクール「テックアカデミー」が運営。初心者向けにプロが解説した記事を公開中。現役エンジニアの方はこちらをご覧ください。 ※ アンケートモニター提供元:GMOリサーチ株式会社 調査期間:2021年8月12日~8月16日  調査対象:2020年8月以降にプログラミングスクールを受講した18~80歳の男女1,000名  調査手法:インターネット調査

企業間の取引に関する取り決めは多くの場合、「契約書」として条文化され、契約書を取り交わすことで「契約締結」となります。

ここでは、契約書の内容を決定し取り交わすまでの契約締結の流れを紹介します。

 

手順(1)契約書案を作成する

契約締結の流れの頭にくるのは、契約書案の作成です。契約を結ぶ双方が契約書の記載事項について確認し、すり合わせを行う段階です。一般的には、契約書の雛形などをベースとして、片方の契約実務担当者が作成した案をもとに確認を行います。必要があれば修正を加え、双方が合意に至れば契約書案の完成です。この段階ではまだ担当者レベルでの“案”にすぎないため、契約年月日の記入や押印は行いません。

契約書案が以下のような点を満たしているか確認しましょう。

1. 契約成立の要件が記載されている
契約書には、契約の成立要件が記載されている必要があります。
例えば、請負契約であれば、双方が合意した「請負人が提供する作業等とそれに対して発注者が支払う対価」を明記しなければなりません。

2. 双方の権利・義務が明確かつ適法である
契約の有効期間や終了事由、損害賠償、守秘義務などについて、双方の義務や権利が具体的に示されている必要があります。
また、法律の規定に反した内容や、法的に無効となるような条項が設定されていないことも大切です。

 

手順(2)内部承認を受ける

担当者の段階でGOサインが出た案であっても、決済の過程で権限者などから修正を求められることもあります。その場合は、相手方の担当者に修正内容を伝えたうえで、再度合意を取り付けなければなりません。相手方のOKが出たら、契約書案の条文に赤文字などで修正を加えます。理由を記したメモなども書き添えるといいでしょう。修正の記録および赤字が入った契約書案の条文、決裁書などの関係書類を残すことは、後日もしも紛争が生じたときなどの備えとして重要となります。

また、修正の過程でどうしても合意に至らないケースもあります。その際は契約の権限を持つ人をともなったうえで打ち合わせを行い、権限者が直接交渉を行うことになります。

 

[PR] 生成AIを実務で使うコミュニティがなんと0円!

手順(3)契約書を作成し取り交わす

決済が完了したら、修正箇所を反映し、「契約年月日の記入」と「各種押印」を終えた正式な契約書を作成します。

1.契約年月日の記入
相手方に契約年月日の確認をします。通常は決済後の日付が契約締結日となりますが、合意のうえでさかのぼった日付を設定することも可能です。トラブルが生じた際に契約締結日が問題となる場合があるため、日付は正確に記入します。公証人役場において「確定日付印」を押印してもらうことで、記載された日付の正確性を公的に証明することが可能です。契約年月日が調整できたら、契約書を2通作成して相手方へ郵送するか、メールに添付して送信します。

2.契約当事者名欄への署名(記名)捺印
金銭のやり取りが生じる契約の場合、先に捺印するのは金銭を受けとる側です。これは、金銭を支払う側のリスクを避けるための慣例です。

契約書を作成した企業が金銭を受けとる立場:署名捺印した契約書を2通送付。相手方は押印した契約書を1通返送する。

相手方が金銭を受けとる立場:無署名の契約書を2通送付し、相手方は署名捺印をしたうえで2通とも返送。返送された契約書に署名捺印して、1通を再び送付する。

金銭の授受がない場合は、契約書を作成した企業が署名捺印した契約書を2通送付し、相手方は署名捺印のうえ1通を返送するのが一般的です。契約書への押印には、実印を使用するのが望ましいとされています。契約当事者の合意のもと、作成された正式な契約書だとより確実に示せるためです。また、必要な場合には、署名捺印のタイミングで「割印(わりいん)」や「契印(けいいん)」と呼ばれる印も押します。

契約書の偽造・改ざんを防止する「割印」と「契印」

  • 割印

「割印」とは、書類の改ざんを防ぐために押すものです。2通の契約書の上部が少しずれるように重ね、2枚に印がまたがる位置に押印します。使用する印は、署名捺印に用いたものと別のものでも構いません。

  • 契印

「契印」とは、複数ページある文書に押印し、ページの追加や抜き取り、改ざんなどの不正を防ぐものです。署名捺印に用いた印と同じものを使用します。製本された契約書の場合は、本の綴じ目(2ページの真ん中)に両ページにまたがる形で押印します。裏表紙と製本テープの境目に押すこともあります。ホチキスなどで簡易に綴られている場合は、ページを折るなどして、次のページとまたがる位置に押印します。

課税文書の印紙税に注意

印紙税とは、契約書などの特定の文書に課される税金です。「請負契約書」や「融資契約書」、「取引基本契約書」、「業務委託契約書」など、契約書の多くは印紙税法で課税文書であると規定されています。課税文書に該当する契約書には、収入印紙を貼付しなければなりませんので、契約書が課税文書にあたるかどうかよく確認する必要があります。

印紙を貼る必要があるのは、契約当事者の双方の署名捺印がある契約書、または文書を所持・保管する者の相手方のみの署名があるものです。つまり、この記事で紹介したような2通にそれぞれ署名捺印するケースでは、2通ともに印紙を貼らなければなりません。

 

まとめ

契約の締結は、契約書案の作成から、双方の社内での決裁を経て、正式な契約書を作成して取り交わすという流れで行われます。担当者の段階で精査した契約書の条文も、決裁に至るまでに修正が加えられることが少なくありません。後々のトラブルに対処するためにも、修正の経緯などの契約書作成の過程は記録しておくことが大切です。

正式な契約書を作成する際は、契約締結の日付が重要となります。押印の順序や不正防止のための割印・契印についても覚えておくとよいでしょう。

IT業界でおすすめの転職サイト・エージェントもまとめているので、転職を検討している方はぜひ活用してみてください。

 

また、TechAcademyは、積極的に情報集取を行い学習、成長していくビジネスマンの今後を応援しています。そんな方々におすすめなのはIT業界でキャリアを描くこと。IT業界は成長産業であり、上昇志向や成長志向のある人であれば幅広いチャンスを掴むことが可能です。しかし、総合職であっても技術職とコミュニケーションが取れる人材が求められています。

TechAcademyにはIT業界で活躍したい方向けに無料でプログラミングを学び、転職支援も受けられるTechAcademyキャリアというサービスがあります。

専門知識を効果的に学び、プロのコンサルタントの支援のもと行う転職活動でより自分にあった企業と出会ってみませんか。

IT業界でキャリアアップを目指したい方はぜひTechAcademyキャリアをご覧ください。