Amazon S3とは?使用メリットや具体的な使い方を現役エンジニアが解説【初心者向け】
初心者向けにAmazon S3について解説しています。Amazon S3とは何をするものなのか、その機能や特徴、利用するメリット、料金、始め方について説明します。導入の際に参考にしてください。
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Amazon S3の使用メリットや具体的な使い方を解説します。
なお本記事は、TechAcademyの法人向けIT・プログラミング研修での実績をもとに紹介しています。
今回は、ツール系に関する内容だね!
どういう内容でしょうか?
Amazon S3について詳しく説明していくね!
お願いします!
目次
※免責事項
この記事は2019年10月に更新された記事のため情報が古くなっている場合がございます。
Amazon S3とは
Amazon S3(Simple Storage Service)とは、アメリカのAmazon社により提供されているクラウドサービスAWSの1つです。
AWSで主に使われているサービスには以下が含まれます。
- EC2
- EBS
- S3
Amazon S3はその中の1つでストレージ機能を提供するサービスです。
容量は無制限、1GB毎に料金が加算されていくものの、その料金は破格といえるほど安価です。
また、データである場合、動画・画像ファイル、加工前・加工後のファイルなどほとんどのデータを預けることが可能です。
最初のサインアップから12ヶ月間無料で試用できる枠があるだけでなく、ファイルそのものに対するセキュリティも担保されています。
Amazon S3を利用するメリット
Amazon S3は
- 高い耐久性
- 安価
- データ量無制限
- 他のAWSサービスとの連携
といったメリットがあります。
高い耐久性
Amazon S3 は 99.999999999% の耐久性を実現するように設計されています。
具体的にはデータを3つのリージョン(データセンター)に保存し、さらにデータの整合性を定期的に確認することで、万が一保存している機器に故障などがあっても修復可能です。
そのため、データのバックアップや保存などに向いているといえるでしょう。
安価
Amazon S3 は非常に安価に利用できます。
月数百円程度から始めることが可能です。
データ量無制限
AmazonS3のデータは、リージョン内にバケットという入れ物を作成して保存しましょう。
バケットには容量制限が無く、データを無制限にアップロードできます。
データのアップロードには課金されません。
データをS3から取り出す際、データ転送量に応じた料金が課金されます。
リージョン内のデータ転送も無料であり、リージョン間であれば課金される点には注意が必要です。
他のAWSサービスとの連携
Amazon S3は他のAWSサービスと連携して使用することが可能です。
データのバックアップ先として
EC2で仮想サーバを構築し、通常のデータの保存先としてEBSを使用します。
EBSはEC2から見てローカルドライブとして扱われます。
対して、Amazon S3では、ローカルドライブとして扱うことはできないものの、値段は安価であるため、心配はいりません。
ビッグデータの保存先として
Amazon S3には、データベースで使用されるSQL言語によりデータを選択(Select)取得する機能があります。
Amazon S3に保存された大量のデータを直接検索できるため、ビッグデータの保存先として向いているといえるでしょう。
また、Amazon S3 は AWS のその他の分析サービスである Amazon Athena や Amazon Redshift Spectrum とも互換性があります。
これらを通じてより複雑な分析も可能です。
写真や動画などの保存先として
写真や動画を保存しておき、AWS Lambdaサービスを通じてデータに対して一括処理を行うことができます。
AWS Lambdaについては以下の記事を参考にしてください。
Amazon S3の機能
Amazon S3はストレージサービスとして以下のような機能を持っています。
- ストレージサービス機能
- データ管理機能
- ストレージクラス機能
- アクセス管理機能
以下で詳しく解説していきましょう。
ストレージサービス機能
Amazon S3 では、ストレージサービスとして、データは自動的に3つのリージョンに保存します。
さらにデータの整合性を定期的に確認し、不具合があれば自動的に復旧されます。
データ管理機能
Amazon S3 はファイル(オブジェクト)ごとに、リージョンやバケット(保存先)、ストレージクラス(後述)、アクセス制限などを細かく指定可能です。
そして、日本語対応した管理画面から簡単に操作することが可能です。
APIリクエストを使用することで愛料のデータをまとめて処理することもできるでしょう。
ストレージクラス機能
Amazon S3は用途や料金に応じた保存先が用意されています。
また、通常ストレージの他、重要度の低いデータに対しては低冗長化ストレージを選択することでコストを下げることも可能です。
低冗長化ストレージについては以下のページを参考にしてください。
アクセス管理機能
デフォルトでは全てのオブジェクトはプライベートのアクセス権が設定されており、所有者(と管理者)以外はアクセスすることができません。
セキュリティ設定を行うことでき、細かなアクセス制御を行うことができます。
Amazon S3の機能については動画で確認することもできます。
詳しくは以下のページを参考にしてください
Amazon S3の料金
Amazon S3の料金の考え方はやや複雑です。
具体的な料金は SIMPLE MONTHLY CALCULATOR を使って計算します。
ここでは具体例をもとにAmazon S3の料金を計算してみましょう。
画面右上の言語設定を「Japanese」にしましょう(①)。
続いて画面左側の選択肢から「Amazon S3」を選択します(②)。
次にリージョンを選択します(③)。
デフォルトでは無料利用枠にチェックが付いているので、外しておきましょう(④)。
リージョンを選択したら、それぞれの値を入力していきましょう。
今回はS3標準ストレージを例にします。
入力箇所は4箇所です。
項目名 | 説明 | 値の例 |
ストレージ | 使用するストレージの容量(保存するデータの量) | 100GB/月 |
PUT/COPY/POST/LIST リクエスト | データの保存やコピーのリクエスト数 | 300,000 |
GET/SELECT and Other Requests | データの取得リクエスト数 | 3,000,000 |
データ転送は下の方にあります。
項目名 | 説明 | 値の例 |
データ転送受信 | Amazon S3からデータを取得する容量 | 100GB/月 |
今回の試算では、$13.91/月と計算されました(約1500円/月)。
なお、今回の試算は一例であり、選択するストレージによっては入力項目が異なります。
Amazon S3の使い方
Amazon S3 の始め方について確認していきましょう。
AWSにログインのうえ、 Amazon S3 のページにアクセスします。
Amazon S3はバケットという入れ物を作成して、その中にファイル(オブジェクト)を格納します。
バケットを作成するだけなら無料です。
ファイルをS3に格納するところから料金が発生します。
「バケットを作成する」を選択しましょう。
バケット作成画面が表示され、バケット名はAmazon S3で一意である必要があります。
入力したら「作成」ボタンをクリックするとバケットが作成されるでしょう。
または「次へ」ボタンでオプションの設定などを行うことも可能です。
バケットを作成すると以下のような画面になります。
作成したバケットを選択し、ファイルをアップロードしたり、フォルダの作成などを行いましょう。
手順の詳細は公式の入門ガイドに詳しく記載されているので参考にすると良いでしょう。
Amazon Simple Storage Service(S3) > 入門ガイド
なお、AWSの管理画面は日本語対応しています。
日本語に切り替わらない場合は画面左下の言語設定を確認してください。
執筆してくれたメンター
太田和樹(おおたかずき)
ITベンチャー企業のPM兼エンジニア 普段は主に、Web系アプリケーション開発のプロジェクトマネージャーとプログラミング講師を行っている。 守備範囲はフロントエンド、モバイル、サーバサイド、データサイエンティストと幅広い。 その幅広い知見を生かして、複数の領域を組み合わせた新しい提案をするのが得意。 開発実績:画像認識技術を活用した駐車場混雑状況把握(実証実験)、音声認識を活用したヘルプデスク支援システム、Pepperを遠隔操作するアプリの開発、大規模基幹系システムの開発・導入マネジメント。 地方在住。 仕事のほとんどをリモートオフィスで行う。 通勤で消耗する代わりに趣味のDIYや家庭菜園、家族との時間を楽しんでいる。 |
Amazon S3の使用メリットや具体的な使い方や注意点がよくわかりました!
ゆかりちゃん、また何か分からないことがあったら質問してね!
分かりました。ありがとうございます!
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