Pythonのmap関数とfilter関数の違いを現役エンジニアが解説【初心者向け】

Pythonのmap関数とfilter関数の違いについて、TechAcademyのメンター（現役エンジニア）が実際のコードを使用して、初心者向けに解説します。

Pythonについてそもそもよく分からないという方は、Pythonとは何なのか解説した記事を読むとさらに理解が深まります。

 

なお本記事は、TechAcademyのオンラインブートキャンプ、Python講座の内容をもとに紹介しています。

 

 

目次

1. map関数とは
2. filter関数とは
3. map関数とfilter関数の比較
4. まとめ

 

map関数とは

map関数とは、リストなどの複数の要素に対して全てに指定した関数を適用させることができる関数です。for文などで要素１つずつに関数を適用していく処理方法に比べ短いコードで記述することができます。

map関数は以下のような文法で使用します。

map関数を適用したリスト = list( map ( "適用する関数" ,  "適用させたいデータ" ) )

参考までに、上記文法をfor文で処理する場合は、以下のような文法になります。

map関数を適用したリスト = []
for i in 適用させたいデータ:
  map関数を適用させたいデータ.append ( 適用する関数 ( i ) )

 

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filter関数とは

filter関数とは、リストなどの複数の要素に対して条件が一致しないものを削除することができる関数です。こちらもmap関数同様にfor文での処理方法に比べ短いコードで処理することができます。

filter関数は以下のような文法で使用します。

filter関数を適用したリスト = list( filter ( "適用する関数" ,  "適用させたいデータ" ) )

 

map関数とfilter関数の比較

map関数とfilter関数は文法だけで比較すると記述方法はとても似ていますが、それぞれの動作は異なります。ここでは簡単なサンプルコードを例にそれぞれの動作を確認してみましょう。

サンプルコード

# 適用するリスト
mylist = [1,2,3,4,5,6,7,8,9]

#適用したい関数
def sample1(x):
  return x * 2

# map関数
map_list = list(map(sample1,mylist))

# filter関数
filter_list = list(filter(sample1,mylist))

# 処理結果の出力
print("適用するリスト")
print(mylist)

print("map関数を適用したリスト")
print(map_list)

print("filter関数を適用したリスト" )
print(filter_list)

 

実行結果

適用するリスト

[1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9]

map関数を適用したリスト

[2, 4, 6, 8, 10, 12, 14, 16, 18]

filter関数を適用したリスト

[1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9]

 

解説

ここではコード5-6行目で引数を2倍した値を返すsample1という関数を準備をしてサンプルコードを作成しました。

コード9行目では、map関数による処理を記述しています。コード12行目では、filter関数による処理を記述しています。実行結果ではそれぞれmap関数・filter関数の実行結果が出力されています。

関数sample1では返り値が条件になっていないためfilter関数の実行結果の変動はありません。map関数の実行結果では全ての要素が2倍された結果が出力されていることが確認できます。

それでは先ほどのサンプルコードの適用したい関数を一部変更してfilter関数が正しく動作するようにしてみましょう。関数の”return x * 2″を”return x ==2″に変更します。

サンプルコード

# 適用するリスト
mylist = [1,2,3,4,5,6,7,8,9]

#適用したい関数
def sample1(x):
  return x == 2

# map関数
map_list = list(map(sample1,mylist))

# filter関数
filter_list = list(filter(sample1,mylist))

# 処理結果の出力
print("適用するリスト")
print(mylist)

print("map関数を適用したリスト")
print(map_list)

print("filter関数を適用したリスト" )
print(filter_list)

 

実行結果

適用するリスト

[1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9]

map関数を適用したリスト

[False, True, False, False, False, False, False, False, False]

filter関数を適用したリスト

[2]

 

解説

適用したい関数の返り値を条件にすることでfilter関数を適用した実行結果が条件に一致する2のみが出力されていることが確認できます。map関数を適用した実行結果では、条件に対しての一致・不一致(True,False)が出力されていることが確認できます。

まとめ

今回は、 Pythonのmap関数とfilter関数の違いについて紹介しました。

今回紹介した2つの関数はリスト型などのように複数の要素をもつデータに対して関数を適用させる場面で非常に役に立つ関数なので積極的に活用してみてください。

監修してくれたメンター

菅繕久（すがよしひこ） 現在はフリーランスのエンジニアをしていてプログラミング歴は8年目になります。 普段は Python、FileMaker等を使って様々な業務で活用できるIoTプロダクトRPAツールを作成しています。 開発実績としては、業務自動化ツール(在庫管理・発注・ファイル操作 etc)、電子カルテシステム、ロボット用プログラムなどがあります。 TechAcademyではPythonコースを担当しております。

 

 

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