PHPの擬似変数thisについて現役エンジニアが解説【初心者向け】
初心者向けにPHPの擬似変数thisについて現役エンジニアが解説しています。PHPの疑似変数thisとは、クラスのインスタンス自身のことを指すものです。クラス内のプロパティやメソッドにアクセスする場合に利用します。PHPの擬似変数thisの書き方や使い方について解説します。
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今回は、PHPの擬似変数thisについて、TechAcademyのメンター(現役エンジニア)が実際のコードを使用して初心者向けに解説します。
PHPについてそもそもよく分からないという方は、PHPとは何なのか解説した記事を読むとさらに理解が深まります。
なお本記事は、TechAcademyのオンラインブートキャンプ、PHP/Laravel講座の内容をもとに紹介しています。
今回は、PHPに関する内容だね!
どういう内容でしょうか?
PHPの擬似変数thisについて詳しく説明していくね!
お願いします!
この記事は、PHPの疑似変数$thisの使用方法について記載した記事です。
PHPのクラスの基礎をマスターした人なら理解できる内容となっています。PHPのクラスについてまだ理解が曖昧だという方は、まずはPHPのクラスの定義方法やプロパティ、メソッドなどのクラスの基礎をマスターしてからこの記事を読むことをオススメします。
目次
擬似変数thisとは
PHPの疑似変数thisとは、クラスのインスタンス自身のことを指すものです。
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擬似変数thisの利用場面
疑似変数thisは、PHPでクラスを実装する時に自身のプロパティやメソッドにアクセスするために使用します。
実際に書いてみよう
それでは、実際に擬似変数thisを利用して、クラス内で自身のプロパティやメソッドにアクセスする例を見てみましょう。
サンプルコード:
<?php class Fruits { // プロパティ private $name = ""; // プロパティ$nameに値をセットするメソッド(セッター) public function setName($name) { $this->name = $name; } // プロパティ$nameに値を取得するメソッド(ゲッター) public function getName() { return $name; } } // インスタンス化 $fruits = new Fruits(); // Fruitsのプロパティ$nameに"apple"をセット $fruits->setName("apple"); // Fruitsの名前を出力 echo $fruits->getName(); ?>
実行結果:
PHP Notice: Undefined variable: name in /workspace/Main.php on line 11
上記の例では、クラスFruitsのインスタンスを生成し、クラスFruitsのsetNameメソッドでクラスFruitsのプロパティ$nameに文字列”apple”をセットして、getNameで取り出そうとしています。
しかし、実行結果を見ると11行目の$nameの値を取得するところでエラーとなっています。
意訳すると「$nameが定義されていない」というエラーです。これは、11行目の$nameをプロパティ$nameにアクセスできておらず、「ローカル変数の$name」にアクセスしようとしていますが、ローカル変数の$nameは定義されていないので、「定義されていない」とエラーが出力されています。
このように、疑似変数$thisを使用しない場合は、プロパティ$nameにアクセスできず、ローカル変数$nameを参照するようになっています。
それでは、実際にgetNameメソッドのreturnで返却する変数をローカル変数の$nameから疑似変数$thisを使用して、出力してみましょう。
サンプルコード:
<?php class Fruits { // プロパティ private $name = ""; // プロパティ$nameに値をセットするメソッド(セッター) public function setName($name) { $this->name = $name; } // プロパティ$nameの値を取得するメソッド(ゲッター) public function getName() { return $this->name; } // ローカル変数$nameの値を取得するメソッド(ゲッター) public function getNameLocal() { // ローカル変数$nameを定義 $name = "orange"; return $name; } } // インスタンス化 $fruits = new Fruits(); // Fruitsのプロパティ$nameに"apple"をセット $fruits->setName("apple"); // Fruitsのプロパティ$nameの値を出力 echo $fruits->getName()."n"; // getNameLocalメソッドで定義したローカル変数$nameの値を出力 echo $fruits->getNameLocal(); ?>
実行結果:
apple orange
上記のように、getNameメソッドの返却値を$this->nameと疑似変数$thisを使用することで、クラスFruitsのプロパティ$nameにアクセスできることが実行結果の1行目”apple”の出力で確認できると思います。
また、クラスFruitsにローカル変数$nameの値を返却するメソッドgetNameLocalを作成し、その返却値を出力しています。疑似変数$thisを使用しない場合は、$nameはgetNameLocalメソッド内に定義したローカル変数$nameにアクセスしていることが、実行結果の2行目”orange”の出力から確認できると思います。
まとめ
今回は、疑似変数$thisの使用する場面について主に紹介しました。
疑似変数$thisは、クラスを使用したPHPの開発では必ず習得すべき項目だと思われるので、PHPのクラスについて基本をマスターしたという方は、疑似変数$thisの使用方法についても必ず理解しておきましょう。
筆者プロフィール
平野大輝(ひらのだいき)
スキル:PHP・Java・JavaScriptを用いて様々なアプリを開発するWebエンジニア。 |
内容分かりやすくて良かったです!
ゆかりちゃんも分からないことがあったら質問してね!
分かりました。ありがとうございます!
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