トレンドを知っておこう!Javaのフレームワークまとめ【初心者向け】現役エンジニアが紹介
初心者向けにJavaのフレームワークをまとめて紹介しています。どのプログラミング言語でもフレームワークが多く存在していますが、開発プロジェクトの規模によって使うフレームワークが違ってきます。これから学習する人はぜひ参考にしてみてください。
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Javaのフレームワークについて、テックアカデミーのメンター(現役エンジニア)が実際のコードを使用して初心者向けに解説します。
目次
そもそもJavaについてよく分からないという方は、Javaとは何なのか解説した記事を読むとさらに理解が深まります。
ここではJavaの便利なフレームワークをいくつか紹介しよう。
田島メンター!フレームワークというのは何ですか~?
アプリケーションなどの開発に必要な枠組みのことを言うんだ。紹介の前に、まずはフレームワークそのものの性質について説明しよう。
お願いします!
フレームワークとは
フレームワークとは、システム開発を行う上で開発効率を高めてくれる便利な仕組みです。
プログラミングを行う上で直面するのは、システム開発の効率をいかに高めるかです。
開発の効率が悪くなる大きな原因として、システム開発する人や開発する案件ごとに、システムの設計や実装方法が大きく変わります。
場合によっては、必要以上の不具合や開発速度の遅れを生み出します。
必要以上の不具合や開発速度の遅れという問題を解決する手法としてフレームワークを使用するという方法があります。
フレームワークのメリット
フレームワークを使用する事で次のような効果があります。
- チーム内で共通認識として理解しやすい基本設計を使用する事が可能
- データベースとプログラムとのやり取りを簡素化する事が可能
- よく使用する機能をあらかじめフレームワークで用意しておき、関数を呼び出すだけで実装が可能
- フレームワークがエラー箇所をわかりやすく教えてくれる事で不具合の解決が可能
結果的に、エラーの解決や美しい設計が可能となり、開発効率が高まるというメリットを享受できます。
フレームワークのデメリット
フレームワークを使用する事でデメリットも存在します。
チーム内でフレームワークを使用することは、フレームワークの使用方法について、チーム内全員が事前に学習しておく必要がでてきます。
効率化を手に入れる代償として、学習が必要ですが、システム開発後に不具合が発生することを考えると、フレームワークを学習しても良いかもしれません。
フレームワークについての概要になるよ。
使うフレームワークについてしっかり理解しておけば、開発において心強い味方になるということですね。
それではJavaのフレームワークを見ていこうか。今回解説するのは「Java EE」と「Play Framework」と「Spring Framework」だね。
Javaのフレームワーク
ここから開発現場で利用されるJavaのフレームワークを5つ紹介します。
- Java EE(Java Platform, Enterprise Edition)
- Play Framework
- Spring Framework
- Hibernate
- Grails
それぞれのフレームワークの開発元や特徴を解説します。
Java EE(Java Platform, Enterprise Edition)
Java EEは1999年に登場して以来、サーバー用との大規模システム向けにJava Servlet(サーブレット)、JavaServer Pages (JSP)、Enterprise JavaBeans (EJB)、Java Transaction API (JTA)、Java Message Service (JMS)、JavaMail、Java EE Connector Architecture (JCA)、およびXML関連のAPI(JAXP等)の機能をセットにして提供しているフレームワークです。
Javaの開発元だったサン・マイクロシステムズの時代から提供されているフレームワークで、現在はオラクルが提供しています。
Java開発元の提供ということもあり、信頼できるフレームワークであるため、業務用に導入する際、使用する決済を取りやすいですが、その反面、非常に大規模な仕様であるため、ちょっとしたシステム開発に使用する上での学習コストが負担となっています。
Play Framework
Java EEのように大規模なフレームワークがあるなか、ちょっとしたプロジェクトをフレームワークで開発したい場合や、個人開発者が一人で開発したい場合にピッタリのフレームワークがPlay Frameworkです。
Play Frameworkは他のJavaフレームワークに比べ学習コストが低い事が特徴です。
学習コストが低いというのは、学習する事が少ないことを意味します。学習コストが低いからと言って、機能が不足しているわけではありません。
基本的な設計や実装に必要な機能は十分なほど揃っているにも関わらず、最小限の学習により開発を開始することができるのが大きな特徴です。
またオープンソースのため、ソースコードが公開されている事も特徴です。
オープンソースであることは、特定企業の特定技術の政治的な影響を受けない、良い技術をどんどん取り入れるというメリットがあります。
Spring Framework
Pivotalが開発しており、Java EEに比べ最新技術をいち早く導入する事で、数あるJavaフレームワークの中でも最大のシェアを伸ばしてきているフレームワークです。
Spring Frameworkの特徴としてSpring MVC、DI、AOP、RESTfulと様々な特徴がありますが、なかでもDIが非常に特徴的です。
DI(Dependency Injection)とは直訳で依存性の注入と言います。
内容としては、オブジェクトが成立するための情報を外部設定に分離することで、コンポーネントの集合としてアプリケーションを組み立てるデザインパターンの事を示しています。
オブジェクトとは、物という意味です。
コンポーネントとは、プログラムを構成する部品です。
アプリケーションとは、ソフトウェアの事です。
デザインパターンとは、再利用可能な設計の考え方です。
デザインパターンについても解説しているので、参考にしてみてください。
Hibernate
Hibernateは、ORM (object relational mapping)のためのツールを提供するフレームワークです。
ORMに、Session サポート、トランザクション管理、オブジェクト・キャッシング、HQLなどの主要機能が用意されています。
その他にも、NoSQLに対応したOGMや、検索機能のHibernate Search、バリデーション機能のHibernate Validatorなど、Javaを利用して効率的な開発をすすめることができる機能が用意されています。
Grails
Grailsは、GroovyというJava VM上で動作する動的なスクリプト言語を利用した開発フレームワークです。
Grailsという名称からわかるように、以前は、”Groovy on Rails”と名乗っていたほどに、RubyOnRailsに影響を受けています。
また、 Hibernateフレームワークとの透過的連携を実現しており、 Hibernateフレームワーク以外のJavaライブラリや、Javaプロジェクトとの連携も容易です。
フレームワークの選び方
5つのJavaフレームワークを紹介してきました。
ここでは、Javaフレームワークの選び方を紹介します。
Google Trendsの結果を見ながら次の3つのポイントで選んでみたいと思います。
- 既存案件の保守や改修業務を狙う場合
- 学習コストの低さで選ぶ場合
- 現実的に見た効率的な開発で選ぶ場合
1.既存案件の保守や改修業務を狙う場合
Google Trendsの検索結果だけを見ると、spring framework とJavaEEが同程度で推移しているように見えます。
Google Trendsの結果は、実務でのシェアを反映しているわけではありませんが、spring frameworkの案件が増加していることも事実です。
実際のJava案件は、十数年以上前から動いている既存のJava案件が非常に多く存在します。
Java案件が多いという事は、実務を考えたときに、保守や改修案件の多さからも、JavaEEを学習しておくことは非常に有用だと言えます。
2.学習コストの低さで選ぶ場合
学習コストだけで考えれば、Play Frameworkが圧倒的に低いです。
学習コストが低いことは、少ない学習である程度の実装まで構築可能であることを意味します。
初学者の頃は、少ない学習で済む、学習コストが低いPlay Frameworkを選択する事が良いと思われます。
フリーランスとして活動する方だけでなく、工数を低くしたい場合などにも、Play Frameworkを選択することで競争力を得られます。
学習コストが低い点で考えれば、Play Frameworkは素晴らしい選択肢になります。
3.現実的に見た効率的な開発で選ぶ場合
単純に効率的な開発だけを考えた場合、言語の選択から考え直す必要があります。
もし日本国内でJavaを利用した現実的でかつ、効率的な開発を行う場合はSpring Frameworkの選択が良いです。
Spring Frameworkは、先進的な機能とJavaの開発思想といった2点を取り入れています。
つまり、Spring Frameworkが使われる以前のJavaエンジニアも、Spring Frameworkを利用した開発に移行しやすいことを意味します。
そのため、Google Trendsでみても、Java EEと同程度の検索結果が存在しています。
Javaエンジニアを確保するという現実的な課題を解決でき、効率的な開発をすすめることができることから、Spring Frameworkは素晴らしい選択肢になります。
Javaフレームワークの活用事例
ここから実際に開発現場で利用されるJavaフレームワークを紹介します。
- Java EE(Java Platform, Enterprise Edition)
- Spring Framework
- Play Framework
それぞれのフレームワークの活用事例や求人案件の状況を解説します。
JavaEE
2012年の記事ですが、三菱東京UFJ銀行と楽天市場でJavaEEを利用した開発の事例です。
10年前ということで、古いという印象を持たれるかと思います。
しかし、金融機関や大規模ネットショップなど、金融の流通が大規模に絡むシステムは数十年以上同じシステムを使います。
もし、新規システムに置き換えた際に、障害が発生した場合、簡単に数億円規模の損失が発生してしまうため、古いシステムを使い続けます。
古いシステムという意味では、JavaEEのシステムは非常に多く残っており、かつ、プロジェクト単価が非常に高いものとなっております。
Spring Framework
Spring Frameworkの求人 | Indeed (インディード)
Spring Frameworkをindeedという求人サービスで検索した結果、1000件以上の求人案件が存在しました。
自社メディアの案件であったり、他社システムを開発する案件用に利用したり、様々な企業でSpring Frameworkを利用しています。
Play Framework
時系列でみる!4年の歳月をかけてPlay Frameworkで「大規模リプレイス」した話
ヌーラボというプロジェクト管理のBacklogというWebサービスを提供している企業があります。
2019年からPlay Frameworkを利用した開発に移行しています。
まとめ
今回は、Javaフレームワークについて簡単に解説してみました。
入門向けJavaの学習サイトもまとめているので、合わせてご覧ください。
3つのJavaフレームワークについて紹介したよ。
同じJavaのフレームワークでも、種類によって構造や使い方がそれぞれ違ってくるんですね。
各フレームワーク紹介から公式サイトへのリンクも貼っているよ。興味のあるものがあったら見てみよう。
分かりました。ありがとうございます!
Javaを学習中の方へ
これで解説は終了です、お疲れさまでした。
- つまずかず「効率的に」学びたい
- 副業や転職後の「現場で使える」知識やスキルを身につけたい
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