実例を紹介しながら解説!ハードフォークとは【初心者向け】
初心者向けにハードフォーク(分裂)とは何か解説しています。ビットコインやEthereumは実際にハードフォークをしたことがあります。それぞれ実例を用いながら解説し、ハードフォークの種類についても紹介しているので、理解しておきましょう。
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今回は、ハードフォーク(分裂)について解説します。
ビットコインやEthereumはすでにハードフォークが行われていますが、そのハードフォークとは一体何なのか詳しく説明しています。
どういった要因でハードフォークするのか理解しておきましょう。
今回はハードフォークという現象について勉強してみようか。
田島メンター!ハードフォークというのは何ですか〜?
大まかに言うとブロックチェーンが分岐することなんだ。ソフトフォークという現象とも比較しながら説明していくよ。
はい!
ハードフォークとは
ハードフォークとは、ビットコイン等の仮想通貨が分裂して別々の仮想通貨に枝分かれしてしまうことです。
ハードフォークのフォークとは、食器のフォークのことです。フォークの柄は1本の金属ですが、フォークの先は枝分かれしています。
この様なイメージで、元々は1つだったものが枝分かれすることをフォークと言います。
ハードフォークの対義語としてソフトフォークという言葉が存在します。
ソフトフォークはSegWitにより実装される可能性が高いです。
メリット
ハードフォークを行うことで、安全性や機能性が向上することがあります。
また、それにより仮想通貨としての価値が上がることがあります。
デメリット
イーサリアム(Ethereum)でロールバックが行われる様な、仮想通貨自体の信頼性が下がり、一時的に価格が下がることがあります。
ハードフォークの種類
1. ブロックチェーンの更新に伴うハードフォーク
機能の向上させる為、ブロックチェーンの更新を行うハードフォークです。
WindowsやMacOSの更新と同じような意味でのハードフォークです。
2. AirDrop(エアドロップ)フォーク
新たな仮想通貨を生み出すためのハードフォークです。
ビットコインキャッシュがこれにあたります。
3. ブロックチェーン更新に伴う内容の対立が起きるハードフォーク
1のハードフォークとの違いは、意見の対立に基づく分裂でハードフォークを行うことです。
イーサリアムクラッシック(Ethereum Classic)とイーサリアムクラッシック(Ethereum)との意見が対立してハードフォークしたものがこれにあたります。
ハードフォークとソフトフォークの分かりやすい違い
ハードフォークはブロックチェーンの仕様変更により、仮想通貨が分裂します
ソフトフォーク(SegWitで実装する場合)は仮想通貨の仕様変更が行われ、仮想通貨自体は分裂しません。
ブロックチェーンについて詳しく解説した記事も参考にしてみてください。
フォークされる理由
フォークされる理由として、ビットコインのスケーラビリティ問題があります。
スケーラビリティとは、ブロック容量が1MBと小さい中でできるだけ多くの情報を詰め込もうとすることです。
情報詰め込みにより容量を増やそうとするのですが、詰め込むため遅延の原因になります。
これを解決するためにフォークされます。
ハードフォークでは、ブロック容量を1MBから2MBにするというようは、ブロックチェーン自体の仕様を変更する解決方法です。
ソフトフォーク(SegWitで実装する場合)では、ブロック容量を1MBのまま、トランザクションサイズを多くする方法です。
トランザクションについて詳しく解説した記事も参考にしてみてください。
ハードフォークの概要と、ソフトフォークとの違いについてだね。
ソフトフォークは最終的に収束するもの、ハードフォークはそのまま分裂するものといったイメージでしょうか。
次に、実際にハードフォークが行われた例について見てみよう。
ハードフォークされた実例
ビットコインとビットコインキャッシュ
AirDrop(エアドロップ)フォークに分類されます。
ビットコインキャッシュは2017年7月20日にアクティベートされました。
新たにビットコインキャッシュという容量が1MBから8MBに増量した仕様の仮想通貨が誕生しました。
イーサリアム(Ethereum)とイーサリアムクラッシック(Ethereum Classic)
ブロックチェーン更新に伴う内容の対立が起きるハードフォークに分類されるものです。
イーサリアム(Ethereum)という仮想通貨が、イーサリアム(Ethereum)とイーサリアムクラッシック(Ethereum Classic)に分裂しました。
これは、THE DAO事件というスマートコントラクトのセキュリティホールを利用して2016年6月17日に360万ETH(当時の日本円で52億円)という仮想通貨が盗まれた事件が発端でした。
このTHE DAO事件で盗まれたETHを取り戻す方法として、イーサリアム(Ethereum)は、THE DAO事件の前にロールバックしています。
ロールバックとは、手動で以前のバックアップファイルに戻すということです。
このことは、意図的に仮想通貨の内容を特定の権限者が書き換え可能という意味で、仮想通貨のイーサリアム(Ethereum)の信頼性を落とす行為でもありました。
この方針に反対したグループが、その後の機能拡大に反対し、安全性を重視するイーサリアムクラッシック(Ethereum Classic)にハードフォークして分裂しました。
その後も、イーサリアム(Ethereum)は、イーサリアムベガ(Ethereum Vega)やイーサリアムゼロ(Ethereum Zero)にハードフォークを行っています。
今回は、ハードフォークについて解説しました。
今後も他の仮想通貨でハードフォークが起きる可能性はあります。どういった時にハードフォークするのかぜひ知っておきましょう。
分裂が行われた実例と、その原因を挙げてみたよ。
ブロックチェーンの分岐には、スケーラビリティ以外にも色々な要因があるんですね。
ビットコインには他にもいくつか派生した通貨があるんだ。新しいものが出たら、どういった背景でハードフォークが行われたのか調べてみるのもいいね。
そうですね、ニュースなども意識しておきたいです。ありがとうございました!
この記事を監修してくれた方
中本賢吾(なかもとけんご) 開発実績:PHPフレームワークを利用した会員制SNS・ネットショップ構築、AWSや専用サーバー下でLinuxを使用したセキュアな環境構築、人工知能を利用したシステム開発、店舗検索スマホアプリ開発など。 その他にも地域の職業プログラマー育成活動を行い、2018年には小学生がUnityで開発したオリジナルAndroidアプリをGooglePlayでリリース。ゲームで遊ぶより作ろうぜ!を合言葉に、小学生でも起業できる技術力を育成可能で有ることを証明し続けている。 |