Kotlinのcompanion objectの基礎について現役エンジニアが解説【初心者向け】

Kotlinのcompanion objectの基礎について、TechAcademyのメンター（現役エンジニア）が実際のコードを使用して初心者向けに解説します。

初心者向けにKotlinの入門向けサイトをまとめた記事もありますので読んでみてください。

 

なお本記事は、TechAcademyのオンラインブートキャンプ、Androidアプリ開発講座の内容をもとに作成しています。

 

目次

• objectの概要
• companion objectとは
• objectとcompanion objectの比較
• まとめ

 

objectの概要

クラスを実体化したものをobjectまたはインスタンスと呼びます。例えば以下のソースコードでは「class Animal」がクラスの定義で、 pandaやcatにクラスを実体化したobjectが代入されています。

class Animal() {
  var myname = ""
 
  fun greeting(): String {
    return "Hello! ${myname}!"
  }
}

fun main() {
  val panda = Animal()
  panda.myname = "Panda"
 
  val cat = Animal()
  cat.myname = "Cat"

  println(panda.greeting())
  println(cat.greeting())
}

実行結果は以下のとおりです。

Hello! Panda!
Hello! Cat!

objectにはプロパティを定義することができます。

上記の例ではAnimalに定義しているmynameがプロパティとなります。プロパティの値はオブジェクトごとに保持されます。 pandaとcatは同じクラスのobjectですがmynameプロパティにはそれぞれ異なる値が格納されていることが分かります。

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companion objectとは

KotlinにはJavaで言うstaticメンバーは存在しません。

staticメンバーとはobjectではなくクラスに対して一意の値を持ちます。Kotlinでstaticメンバーを使用したい場合は トップレベルで定数/変数を定義するかcompanion objectを使用します。

objectとcompanion objectの比較

それでは先程のソースコードをcompanion objectを使って書き換えてみましょう。

companion objectはクラス定義の直下に記述します。定数/変数、または関数の定義が可能です。

class Animal() {
  companion object {
    var myname = ""
  }
 
  fun greeting(): String {
    return "Hello! ${myname}!"
  }
}

fun main() {
  val panda = Animal()
  Animal.myname = "Panda"
 
  val cat = Animal()
  Animal.myname = "Cat"

  println(panda.greeting())
  println(cat.greeting())
}

companion objectはクラスに対して一意のため、値を代入するときも「Animal.myname」のようにクラスに対して行う必要があります。

実行結果は以下のとおりです。クラスに対して一意のため、同じ値が表示されていることが分かります。

Hello! Cat!
Hello! Cat!

 

まとめ

今回の記事では companion object について学習しました。

監修してくれたメンター

太田和樹（おおたかずき） ITベンチャー企業のPM兼エンジニア。 普段は主に、Web系アプリケーション開発のプロジェクトマネージャーとプログラミング講師を行っている。守備範囲はフロントエンド、モバイル、サーバサイド、データサイエンティストと幅広い。その幅広い知見を生かして、複数の領域を組み合わせた新しい提案をするのが得意。 開発実績：画像認識技術を活用した駐車場混雑状況把握（実証実験）、音声認識を活用したヘルプデスク支援システム、Pepperを遠隔操作するアプリの開発、大規模基幹系システムの開発・導入マネジメント。 地方在住。仕事のほとんどをリモートオフィスで行う。通勤で消耗する代わりに趣味のDIYや家庭菜園、家族との時間を楽しんでいる。

 

 

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