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ミレニアル世代が創造するモビリティの未来!「感謝の循環」という新しい体験をつくる挑戦|株式会社Azit 小田 啓

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移動シェアアプリ「CREW」を運営する株式会社Azitの小田さんに、プロダクトマネージャーとしてのキャリアや、「CREW」のユーザー体験づくりで大事にしていることについてお話をお伺いしました。

 

小田 啓|株式会社Azit プロダクトマネージャー兼UIUXデザイナー

大学時代に株式会社Nagisaで3年間インターンを経験。アプリのプロデューサーとして、動画作成アプリやカジュアルゲームの企画・開発ディレクションを担当。社内イラストレーターと外部エンジニアの3名で立ち上げたゲームアプリ「お金を愛しすぎた少女」が、AppStore無料総合ランキング3位を獲得。その後大学4年生で友人3人で起業し司法試験家庭教師マッチングサービス「LEAP」を立ち上げ。新卒で株式会社リクルートホールディングス入社。2017年7月より、株式会社Azitへ入社。

 

ユーザーの間で「CREW」を軸とした生活習慣が生まれはじめている。

――はじめに、「CREW」について教えていただけますでしょうか。

CREW」は、移動したい方と、車を持っている方をマッチングする移動のシェアアプリです。アプリを使って、ドライバーを呼べて、目的地まで送ってもらうことができます。利用可能エリアはこれまで渋谷と六本木エリアに限られていましたが、2017年の12月より、これまでのエリアに加えて新宿・銀座・恵比寿・中目黒といった主要エリアまで拡大しています。時間帯も徐々に広がっており、現在は22時〜27時(日曜日は21時から)の時間帯で利用できるサービスとなっています。(※2018年1月現在)

 

――ユーザーは、どのように「CREW」を利用されていますか。

少し前までは、終電を逃したユーザーさんの利用が多く、24時前後の時間帯で利用数が増える傾向にあったのですが、最近は利用時間開始直後の22時、終了間際の26時に増えています。「10時まで待って、2次会はCREWで移動しよう」や、「CREWがあるから、2時まで飲んでも帰られる」というような、「CREW」を軸とした生活習慣が生まれている実感があります。

 

エンジニアとデザイナーの業務を知ることで、PMとしてのバリューが向上。

――小田さんは、Azitにご入社する前からプロダクトマネージャー(以下PM)をされていたのでしょうか。

大学生2年生から3年間、株式会社Nagisaというアプリの開発会社でプロデューサーとしてインターンをしていました。Nagisaに入るまでは、インターネットのサービスづくりの知識はありませんでした。Nagisaには、優秀なクリエイターさんが多くいらっしゃいましたが、最初は彼らと全然話ができませんでしたね。デザインでは、「こういう感じがいいと思います」というような、ざっくりとした表現しかできないし、開発の見積もりもまるごとエンジニアさんにお願いする状態で、とても悩みました。

デザイナーやエンジニアの仕事を知ることで、PMとしてのバリューを上げられると思い、独学で学びました。友人に「無料でやるから」とお願いして、ホームページを制作させてもらったりしていましたね。一通りできるようになると、マネジメントもしやすくなり、業務の幅も広がりました。

株式会社Azit プロダクトマネージャー兼UIUXデザイナー 小田啓さん

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日本独自のドライブシェア文化を創造する、という挑戦。

――Azitへのご入社のきっかけは何だったのでしょうか。

大学1年生の夏休みに、アプリのコンテストのイベントスタッフをしていて、Azitのチームと出会いました。そこからは、吉兼(Azit 代表取締役)、須藤(同社 取締役)とは、たまにご飯を食べる関係が続いていて。Azitへの入社の決め手となったのは、吉兼から「プロダクトを全部任せようと思っている」という熱いメッセージでしたね。

当時、新卒で入社したリクルートでWEBディレクターをしていたのですが、次のキャリアでは、20代の多くの時間を費やすことになると思っていたので、単に成長できる環境というより、人生で忘れることのできない濃い経験ができる環境をすごく求めていました。いわゆる海外のライドシェアとは異なる「日本独自のドライブシェアのカルチャー、市場を0(ゼロ)からつくっていく」というAzitでの仕事は、自分が考えうる選択肢の中でも最もチャレンジングなものでしたし、大好きなプロダクトづくりを通して、可能性に溢れたマーケットにチャレンジできることが非常に魅力的でした。

 

3つのプロダクトベクトル『Easy』『Reliable』『Peaceful』。

――プロダクトをつくる際、チームで目線を合わせるために気をつけていることはありますか。

Azitでは、『Easy』『Reliable』『Peaceful』という3つのプロダクトベクトルがあって、悩んだときは、それをもとに意思決定していますね。

『Easy』は「簡単な」という意味ですが、誰でも簡単にわかる優しいプロダクトにするということです。『Reliable』は「信頼できる」という意味で、「CREW」は人と人が実際に会ってサービスの体験が成り立ち、且つお金が発生するものなのでかなりシビアです。不具合がなく、信頼して使ってもらえるプロダクトにするということですね。最後の『Peaceful』は、一番使っていますね。『平和的』という意味ですが、「CREW」にはライダーとドライバーの両方のユーザーさんがいるので、一方が幸せで、一方が不幸せという状態はよくないんですね。公平性を保った上で、一番平和的な意思決定をするようにしています。

 

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前の情報提供で、ドライブ体験への恐怖を取り除く。

――「CREW」は、今までにない新しい体験を提供しているサービスですが、初めてのユーザーにが安心してドライブができるために取り組んできたことはありますか。

ライダー側のペインポイントはわかりやすくて、どんなドライバーさんが来るのか分からない「人に対する恐怖」が最も大きく、このペインの解決には力点をおいて制作を進めています。

こちらについては、ドライバーさんの紹介ページを作成し、近くにいるドライバーの情報を見れるようにしました。他のユーザーからの評価やコメントも表示されるので、安心することができます。また、これは「広義のプロダクト」と自分では理解しているのですが、アプリサービス以外の面での改善も併行しています。具体的には、ドライバーと日々コミュニケーションをとっているコミュニティスタッフと連携し「ドライバーさんが車内でプロダクトについて質問を受けた際に、このように答えてほしい」とマニュアルを共有することだったり、逆にドライバーさんからプロダクトについてのご要望を頂いたり。

「CREW」は、C2Cのサービスでユーザー同士がドライブ体験を一緒に楽しむものなので、オンラインtoオフラインの橋渡しといいますか、オフラインの満足度も含めてプロダクトサイドでデザインするように心がけています。オンラインでのアクション、オフラインでのアクション、両方見ながらドライバーや乗車体験に対しての恐怖を取り除こうとしていますね。

 

ユーザーヒアリングは、頭のなかを同期させるための時間。

――アプリ内の企画で「Today’s Special」という企画をされているんですよね。

「Today’s Special」は、いろんな条件で乗車できる企画です。「オープンカーで帰ろう」という企画では、ランボルギーニのオープンカーで移動でき、他には、「寝て帰ろう」「スマホを充電しながら帰ろう」などがあります。車内で、非日常の楽しい経験をしてもらうことを意識しています。

 

――企画されたきっかけは何だったのでしょうか。

「CREW」というプロダクトの価値を、機能的価値と情緒的価値で分けて考えています。機能的価値は、主に「使いやすさ」「手軽さ」になりますが、情緒的価値は「CREW」というサービスのアイデンティティをつくるものだと思っています。「CREW」だからこそできる体験がつくれないかと思って、企画しました。

 

――ユーザーの反応はいかがですか。

いわゆるミレニアム世代の若者は、ただ体験して終わりではなく、その瞬間瞬間をシェアしていく世代です。Instagramのストーリーはまさにそうなのですが、「Today’s Special」でオープンカーに乗ったユーザーさんが、乗車中にストーリーに上げてくれているんですね。それを見た友だちと会話が生まれ、またそこから広がっていることを実感しています。

あとは、事前に車内でどんな体験ができるかがわかることを、喜んでもらえています。スマホを車内で充電しながら帰れるとか、静かに寝て帰れるとか。乗る前に、車内体験の指定ができるのは良いと言ってもらえていますね。

 

――企画を考えるときには、ユーザーにヒアリングはされるのですか。

ヒアリングは定期的にやっていますが、その場は、ユーザーさんと頭の中を同期させるというか、憑依できるようにするためのもので、アイデア自体を聞くことは少ないですね。インタビューから、本当に欲しいものが意見として出ることはほとんどなくて。欲しいものを理解することは、推理に近いものだと思っているので、普段の生活や制約条件を聞いています。

 

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スタッフがドライバーにコーヒーを振る舞う「コーヒーサービス」。

 

――ドライバーの体験を高めるために、取り組んだことを教えてください。

「コーヒーサービス」と言って、ドライバーさんがオフィスに集まって、我々スタッフがコーヒーを提供する場を設けています。そこで、「CREW」に対する不満や改善要望をいただいて、早いサイクルで直していっています。施策についても、ペライチで作ったものをドライバーさんに見てもらってから、リリースしたりしていて、ドライバーさんと一緒にサービスを作っています。ドライバーさんには、楽しいドライブ体験だけを提供するだけではなく、サービスとして愛されることを目指していて、コミュニティはとても重視していますね。

 

――それはどうしてでしょうか。

CREWには「感謝を伝えるライダー」と、「感謝を受け取るドライバー」がいます。お互いがホスピタリティーを持って一緒にドライブすることが、ユーザー体験を良いものにする一番のファクターだと思っています。

その上で、ドライバーさん同士の横のつながりやドライバーさんとスタッフの繋がりは、ドライバーさんが心地よくサービスを利用する上で大きな役割を果たし、それが最終的にドライバー・ライダー間の「感謝の循環」に繋がると思っています。

 

――「コーヒーサービス」では、どんなことをお話されていらっしゃるのですか。

ホスピタリティについて、よく話しています。例えば、タクシーは停止するとドアが自動でバッと開きますが、「CREW」では、ドライバーさんがドアサービスをします。あと、車内でガムやミネラルウォーターをプレゼントしたりしているのですが、そういうことって、ちょっと嬉しいじゃないですか。そういったちょっとした嬉しい体験って「次もCREWを使おうかな。」と思う理由になるんですよね。ドライバーさんと話し合いながら、一緒にユーザー嬉しい体験づくりに取り組んでいます。

 

オンライン・オフラインの概念を取っ払って考える。

――最後に、小田さんがPMとして、普段の生活のなかで気を付けていらっしゃることを教えてください。

大きく、2つあります。ひとつは、うちのサービスの特異性でもあるんですけれど、ユーザー体験がアプリだけでは完結しないんですね。例えば、アプリのリピート率や初回利用率といった数値を上げたいと思った時に、アプリ内のUIUXではなくオフラインにペインポイントがあるかもしれません。なので、普段からオンライン・オフラインの概念を取っ払い、アプリから抜けて物事を考えるようにしています。

もうひとつは、海外のサービスを死ぬほど見ています。Chromeで新しくタブを開くと「Product Hunt」が更新されるようにしているんですね。新しいタブを開く回数は、1日に何回もあるので、常に目に触れて気になったら見るようにしています。プロダクト開発の上では右脳と左脳の両方必要ですが、論理的な部分はしっかり考えたらいいのですが、「どんなUIがいいか」というのは、自分の引き出しが多いいほどいいので、とにかくサービスに触れる量を大切にしていますね。自分でルール付けをしていて、「1Day1Product」というブログを書いて、あまり知られていないけど、個人的にいいなと思ったサービスを紹介しています。  

 

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※本インタビューの内容は、2018年1月30日段階のものです。

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